【落合式、勝つためのマネジメントとは?】
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本日の一冊は、落合ドラゴンズのチームマネジメントに魅せられた著者が、その秘密を徹底解剖した一冊。
(落合監督は、昨年、惜しまれながら引退)
著者は、ベストセラーとなった『IDEA HACKS!』のシリーズで有名な小山龍介氏。
※参考:『IDEA HACKS!』
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今回は、著者がさまざまな媒体で見た落合監督のリーダーシップと、著者が学んだ経営理論を併せ、独自のマネジメント論を展開。
具体的には、落合監督のマネジメントの秘密を、1.自分の勝ちパターンを頑なまでに守る「針鼠の概念」、2.逆算から考える「バリューチェーン」、3.一人が欠けてもチーム全体で補う、ヒトデ型の「自律・分散・協調型組織」、4.<場>のマネジメント、5.最新のリーダーシップ理論として注目を集める「U理論」の5つの視点から読み解いています。
相手が誰でも、どんな戦い方をしても、自分たちの勝ちパターンに引きずり込む考え方、時を告げるのではなく、時計をつくるという考え方、徹底した逆算思考、一芸を生かすためのマネジメントなど、プロフェッショナルチームを率いるリーダーには、参考になる点がいくつもあります。
エピソードも豊富で、なかでも不調に陥った和田選手が、落合監督のスイングを見て蘇る話は、鳥肌モノです。
惜しむらくは、当の落合監督に、直接取材をしていない点ですが、それでも個を生かすマネジメントに興味のある方には、参考になる内容です。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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優勝からの逆算で、負けられる数を考える。9回、岩瀬投手で抑えるところから投手リレーを組み立てる。すべて、最終ゴールから逆算して戦略を組み立て
「ヒットの数を競っているのではない」(落合監督の口癖)
相手に惑わされるのではなく、勝つための仕組みへと相手を引き込む―。そこに複雑系の世界を生き抜くための知恵があります
高水準の技術を保ちながら、多様なニーズに答えるにはどうしたらよいか。その答えが、何にでも対応できるシンプルなプロセスを洗練させるということだったのです
勝ちパターンを共有して、チームの迷いをなくす
リーダーの役割は、「正確な時を告げる」ことではなく、「永遠に時を告げる時計をつくる」こと
できる限り、まずは現有戦力の底上げを行ない、規律を重視した文化を浸透させていく
「投手が投げなければ打者は打てない」(落合監督)
短期的な勝利のために、最後の要である抑え投手を代えるようでは、そこに向けて試合を組み立てていくナインの意識がバラバラになってしまう
選手を責めても何もいいことはありません。監督が誰かを責めれば、他の選手もまた、その日の責任がその選手にあると考えます。自分がもっと何かできたのではないかと自省する機会を逃してしまうのです
「お前ら、球団のために野球やるな。自分のために野球やれ。オレは勝つことだけを考える。勝つことに徹する。だから好き嫌いはしない。いい者を使う。勝敗の責任はオレが取る。だから、自分の成績の責任は自分で取れ」
「バットを振ってみろ」
和田は、落合監督の前でバットを振った。落合監督は、黙って、和田のスイングを見ていたそうよ。しばらくして、落合監督は、和田のバットを手に取ると、素振りをして見せた。このスイングが、また、凄かったんだそうな……。たまたま、監督室に居合わせたスタッフが、ビックリして、思わず、「スゴイですねぇ」って言ったくらい。和田も、このスイングには、ビックリした。(中略)
「打球音が、和田の音より、監督の方が、遥かに凄い」
落合監督と和田には、これで十分だったんだろう。その数日後、和田は、落合監督に、ファーム行きを告げられる。それからの一〇日間を、ワシは知らない。じゃが、和田は、最短日数の一〇日で、一軍のベンチに戻ってきた
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『ビジネス・マネジメント・スタジアム』小山龍介・著 フォレスト出版
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◆目次◆
Chapter1 長期的な成功を約束する「針鼠マネジメント」
Chapter2 有機的なつながりをもつヒトデになれ
Chapter3 「個の時代」に求心力を生む<場>の思想
Chapter4 勝利ではなく、勝負の方程式
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