【「三角形」でネットワークの秘密を読み解く】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532261554
「六次の隔たり」「弱い紐帯」「ページランク」…。
インターネットの普及に伴い、口コミのメカニズムが、急速に解明されつつあります。
なぜ、昔の本がインターネットを通じて爆発的に広まるのか、なぜ、意図的に仕掛けたネットマーケティングが機能せず、小さな動きで止まってしまうのか…。
本日の一冊は、そんなネットワークの「謎」を解明すべく、新たに「三角形」というコンセプトを持ち込んだ論考。
東京大学の准教授で、ネットワーク科学を専門にする増田直紀さんが、表題となっている『なぜ3人いると噂が広まるのか』に挑んだ、興味深い読み物です。
どうすれば、情報を遠くまでたくさん届けることができるのか、ネットワークがはらむ感染のリスクをどう防ぐことができるのかなど、インターネット時代を生きるわれわれにとって、示唆するところの多い内容です。
なかでも、「三角形」が人間関係を維持し、口コミを促進するという、著者の視点は、興味深い。
これを読めば、あなたのTwitter、Facebookを通じた人間関係にも、変化が訪れるかもしれません。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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大多数の人より飛び抜けて多く友人をもつ人のことをハブと呼ぶ。1万人は平均値100人の100倍、10万人は1000倍だから、ハブの存在はかなり衝撃的である。ネットワークは万人に平等ではない
「あなたの友人の誰か」と言った時点で、その相手は、あなたという1人の友人を作ることに成功した人物なのである。したがって、その相手は友人を作る能力が平均より高い、と見なすのが正しい
影響力が届くのは、3次の隔たりまでだともいう
ネットワークがよくつながっているほど、流行が拡大しやすい。インフルエンザの流行を防ぐためには、前もってネットワークを分断しておくと有効である
ハブが抜けるとネットワークは小部分に分断してしまう可能性が高い
入院患者を守るために医師に予防接種するのである。感情や直感で優先順位を決めてしまうと、被害を大きくするおそれがある
ページランクが高い企業は、他社にたくさん物を売るだけでなく、なるべく強い企業へと売っている企業である。この中心性の値から企業の成長予測をある程度できる
三角形を多くもつ人は、さまざまな社会的なグループに属していたり、自殺する危険が小さかったり、話し合いを要するような共同作業の能率が良かったりする
安定でない三角形では+が2個か0個である
三角形がもし建設的な力を発揮できるならば、3人の仲が良く、+が3つの三角形であることが前提条件である。-の関係を残したまま進むと行き詰まる。自分と同じ三角形に属している相手に助けてほしくても、助けてもらえない。うまく運んでいない三角形を抱え込んでも、ネットワークの力は増えない
三角形があると、起こることが異なる(中略)多くの人が2人以上からの推薦を受けている。複数経路で情報を受け取る人が多いのだ。2人以上に薦められれば、商品を買う気になるかもしれない
3人の類似度と三角形は、密接な関係にある
周りに三角形が多い人ほど生産性が高い
飛び込む勇気が三角形を増やす
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『なぜ3人いると噂が広まるのか』増田直紀・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆
第1章 ネットワークで世界を読み解く
第2章 ネットワークを分断せよ
第3章 食うか食われるか
第4章 人気投票のネットワーク
第5章 三角形はなぜ強い
第6章 流行を生み出すネットワーク
第7章 ネットワークが孤独を救う
第8章 職場での行動パターンを見る
第9章 幸せになるための三角形の作り方
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