【コマツV字回復のリーダーシップ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492533052
本日の一冊は、コマツのV字回復を成し遂げ、「ハーバード・ビジネス・レビュー」誌でも絶賛されたコマツ会長、坂根正弘さんによる一冊。
タイトルからは、一見、ノウハウ書を連想させますが、内容はコマツのV字回復の奇跡と、現場で氏がとったリーダーシップに関するもの。
要所要所に氏が発した言葉やリーダーの教訓が散りばめられており、ある程度経験を積んだ経営者なら、きっと心に響く内容だと思います。
「人を動かすのは、つまるところ言葉である。リーダーの資質は、言葉の力にあると言っても過言ではない」
これはまえがきにある著者の言葉ですが、本文を読み進めれば、いかに著者の言葉が現場を動かしたのか、実感できると思います。
「コマツの問題の本質は、固定費にある」とズバリ本質を見抜いた言葉、「会社は苦しいが、研究開発費は削らない。そのかわり他社が真似できないダントツ商品をつくって、ナンバーワン企業になる」と宣言したダントツプロジェクト、「すべてのお客さまのニーズに応えなくていい」と指示し、全体最適を推し進めたリーダーシップ…。
ただのノウハウ書だと思っていたら、これは思わぬ収穫でした。
もっとも感銘を受けたのは、著者が影響を受けたという3代目社長、河合良成氏のエピソードで、トップのあり方として、じつに参考になりました。(詳しくは、ぜひ読んでみてください)
地味な印象の本ですが、経営において大事なことがびっしり詰まっています。
経営者および未来の経営幹部は、ぜひ読んでおいてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「コマツの問題の本質は、固定費にある」
私は米国での経験から、コマツは製造コスト以外の固定費が高いだけであって、その部分さえ改めれば、ものづくりにおいて十分に国際的な競争力があると思っていた
「自分の仕事はなくなるかもしれない」と思ったときから、人は変わる
希望退職者を募ったとき、私は従業員に対して次の2つのことを約束した。
「必ず2年以内に結果を出す」
「雇用に手をつけるのは、今回1度きりにする」
「会社は苦しいが、研究開発費は削らない。そのかわり他社が真似できないダントツ商品をつくって、ナンバーワン企業になる」
多くの人に何かを伝えるためには、口にしやすい「キーワード」が重要だ
すべてにおいてライバルを上回るものをつくれば、当然、価格は高くなる。しかも他社が次の新製品を出すときは、技術的に我々より上をねらう。だから1~2年で追いつかれてしまう。こんなことを続けていたら、いつまでも消耗戦から脱することはできない。そこで私は、営業の意見を聞きながら、「他社に負けてもいいところ」を決めた。その最たるものが、前述の、日本でしか売れそうにない商品の製造を止めることであった
「負けてもいい」などということが言えるのは、社長1人だけである。したがって社長は「何を犠牲にするか」を明確に伝えるという役目がある
リーダーは部分最適ではなく全体最適を語れ
言葉の力はファクトで決まる
本当に見つけなければいけないファクトは、自分たちの「強み」である
リーダーは「着眼大局」「着手小局」が大事
リーダーや経営者にとって大切なことは、何度も同じことを繰り返して言うことだ
「言う」を「成す」と書いて「誠」。これは私がリーダーとして大事にしている言葉だ
有言実行には「いつまでに」という期限を設けることが重要な意味を持つ
「不正をするな」より「不正を隠すな」
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『言葉力が人を動かす』坂根正弘・著 東洋経済新報社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492533052
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◆目次◆
第1章 コマツを甦らせた言葉力
第2章 言葉の力はファクトで決まる
第3章 リーダーの言葉力
第4章 リーダーの実行力
第5章 言葉のあふれる会社は強い
第6章 これから日本を背負って立つリーダーへ
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