【スティーブ・ジョブズの遺言?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766720237
「義務と期待に応えることができなくなる日が残念ながらやってきた」
2011年8月、スティーブ・ジョブズは、こう言ってアップルのCEOを電撃辞任しました。
そして、去る2011年10月5日、まさかの訃報。
マッキントッシュを生み出して一世を風靡した後、一時はアップルを追われたものの、ピクサーで成功を収め、復帰後はiMac、iPod、iPhone、iPadと、立て続けにヒット商品を生み出したカリスマ経営者。
本日ご紹介する一冊は、そんなスティーブ・ジョブズの「遺言」を集めた新書です。
ジョブズによる名言は、これまでにもさまざまな本で紹介されており、本書の内容も類書と重複する部分がありますが、著者、桑原晃弥さんが周辺の記述を加えることで、より発言当時の臨場感を感じられる内容に仕上がっています。
発売がジョブズ氏の死の直前で、かつタイトルにも「遺言」とあるため、ものすごい話題となっていますが、じつは内容にも、死を予感させる言葉がありました。
「日々を最後の日として生きよ。その日は誤ることなくやってくる」「生がもたらした発明の中でも、死ほどすばらしいものはないと、常々そう感じていました。命が生まれた頃、死というものは存在せずに命は進化を遂げていたのではないのでしょうか。だが、死なくしては命が十分に進化を果たしていくことができないことに、やがて生は気がついたはずです。なぜなら、死ぬことによって新しい命が生きていく場所が生まれるからにほかなりません」
ジョブズ氏は生きることで、われわれに夢と希望を与えてくれましたが、死ぬことでまたわれわれに生きることの大切さ、挑戦することの大切さを教えてくれました。
この「遺言」は、偉大なる起業家からの魂のメッセージであり、これに応えるのは、起業家精神でしかないと思っています。
ジョブズ氏の冥福を祈るとともに、本書を読んだ若者たちが、また新たな時代を創ることを願ってやみません。
本の性格上、赤ペンチェックはジョブズ氏の言葉を優先しましたが、著者、桑原氏の言葉にも名言が多く、本書の価値を高めていることを追記しておきます。
「何を捨てるかで誇りが問われ、何を守るかで愛情が問われる。ジョブズは、誇りと愛情の力で瀕死のアップルを再生したのだった」
(著者)
われわれが今、捨てるべきは何か。守るべきは何か。
とことんまで起業家精神を抉ってくる一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「キットを組み立てることで、大切なことをいくつか学んだのかもしれない。ひとつは最終製品の内部がどんな構造になっているのかを理解できるようになったこと。機器の仕組みがわかるのだから、それがなぜ動くのかという原理もわかってくる。けれど、それよりも大切なことは、この宇宙に存在するものなら自らの手で生み出すことができるのだという感覚が養われることのほうかもしれない」
「我慢することだ」
「生がもたらした発明の中でも、死ほどすばらしいものはないと、常々そう感じていました。命が生まれた頃、死というものは存在せずに命は進化を遂げていたのではないのでしょうか。だが、死なくしては命が十分に進化を果たしていくことができないことに、やがて生は気がついたはずです。なぜなら、死ぬことによって新しい命が生きていく場所が生まれるからにほかなりません」
「日々を最後の日として生きよ。その日は誤ることなくやってくる」
「やってきた仕事がすべてを物語る」
「アップルは、世界で一番いいものをつくりたくてうずうずしている人間を雇うのだ」
「リンカーンの生まれた小屋にはインターネットは通っていなかった。リンカーンの教育はこの小屋で両親が授けた。歴史を見れば、テクノロジーがなくても素晴らしい人間は育てることができる。逆に、テクノロジーが原因でつまらない人間になったことも歴史は教えている」
「それなら法律を変えてやろうじゃないか」
「何かを捨てないと前に進めない」
「私たちアップルの第一の目標は世界一のパソコンをつくることだ。最も大きな企業になることでも、最も金持ちの企業になることでもない」
「今日、身のまわりには危うそうに見えるものがたくさんあるが、これはいい兆候だ。それは、その危うさの向こう側には何かひと山ありそうなのに、まだ誰も手を出していない時期なのだ」
「自分が、質を測るものさしにならなければならない」
「これと思える仕事を見つけなくてはいけない。それがまだなら、探し続けなくてはならない。妥協はだめだ。ほどほどで手を打ってはいけない」
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『スティーブ・ジョブズ神の遺言』桑原晃弥・著 経済界
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4766720237
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◆目次◆
まえがき
1章 仏教には初心という教えがある──人生の展開
2章 今日は素敵なことができたと思いながら眠れ──人生の充実
3章 毎日18時間働いた。それを楽しんでいた──人生と闘志
4章 目標は金持ちになることではなかった──人生と誇り
5章 最初の電話のような可能性をつくる──人生と創造
6章 探し続けろ。妥協はだめだ──人生と確信
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