2011年6月11日

『2011年の衝撃!』菅下清廣・著 Vol.2516

【震災後の投資、ここがポイント】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894514427

本日の一冊は、国際金融コンサルタント・経済評論家で、立命館アジア太平洋大学学長特別顧問を務める菅下清廣さんによる一冊。

2年前に出たベストセラー『2011年まで待ちなさい!』のなかで、「2011年、日本にとんでもない災厄が起こる」と予測していた未来予測のプロ、ということで、本書にも大きな注目が集められています。

※参考:『2011年まで待ちなさい!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894513455

この手の話は、大きな事件や災害が起こると、必ず取り上げられるもので、単に確率の問題だと思っていますが、本書には、これからの日本経済の課題、世界経済のトレンドがわかりやすくまとめられており、3.11後の資産運用のヒントになります。

著者は本書で、1.ユーロ危機リスク、2.中東民主化リスク、3.ジャパン・リスクの3つを指摘していますが、それに応じて世界各国がどう対応しそうか、独自の見解を示しています。

この予測が当たるかどうかは当然、わかりませんが、これからの世界経済の動きを考える上で、どんな要素があるかまとめておくのは有用だと思います。

株式投資でも、本の出版でも、大きなイベントの影響、可能性を考慮しながら進めるのは、王道中の王道。

原発を失った現状で、もし本書に書いているような第3次湾岸戦争のような事態が起こったら、エネルギー危機は避けられず、さらなる混乱に陥ることも考えられるでしょう。

何が起こってもおかしくない時代ですから、せめて気持ちだけは備えておきたいもの。

これからのトレンドを読むために、チェックしておきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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株式投資や為替相場が大きく動くとき、その予兆があるのは稀ではありません。政変があったとき、アメリカの大統領が変わったとき、中東に異変があったとき、中国の首脳や朝鮮半島に注目すべき情報があったときなど、市場が大きく動く前ぶれ(予兆)となることがよくあるのです

未来に起こることはすべて過去に起こっている

今日という日は、つねに昨日の延長線上にあるものとはかぎりません。昨日の境遇からは想像もつかない今日を迎えることも、世の常

イスラムの民主化運動がサウジアラビアに波及することになれば、世界経済にとってたいへんな事態が生じると報じられてきました。端的にいえば、石油ショックが起こるということです

いつの時代においても、社会不安の原因は少数派が抱く経済的な不満

第3次湾岸戦争が起こるとすれば、エネルギー資源のない日本はひとたまりもありません

1923年には、関東大震災が発生します。このとき、日銀が震災で決済できなくなった手形の再割引を行って震災手形とし、市中に流動性を供給します。今回の東日本大震災では、日銀が70兆円の資金供給を行い、企業間の決済に支障がでないようにしましたが、関東大震災のときも同じようなことが行われたわけです。しかし、昭和金融恐慌では、日銀が震災手形としてスタンプを押した膨大な手形が、後々不良債権化します

FRBの量的緩和に、副作用がないわけではありません。意図的にインフレを起こそうというのですから、それは国際商品市況を刺激し、原油や貴金属、食料といった商品価格の高騰を当然ながら招きます

この21世紀、資源への投資は富をつくるための最重要ターゲット

◆デフレ脱却の条件
1.大規模な量的緩和
2.大規模な公共投資
3.円安への誘導

「人は幾何級数的に増加するが、資源は算術級数的にしか増加しない」
(ローマクラブ『成長の限界』より)

◆七つの変革の芽 ※一部紹介
1.「環境先進国」という未来に向かって国民の夢が膨らむ
2.新しいエネルギー資源開発に日本が本腰を入れ始める
3.農業に対する価値観が変わり、農業革命が起こる
7.エンターテイメントの新時代が拓ける

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『2011年の衝撃!』菅下清廣・著 フォレスト出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894514427

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◆目次◆

第1章 3・11後の世界経済
第2章 なぜ、2011年が重要なのか?
第3章 3・11後に大きく変わり始めた世界勢力図
第4章 日本経済はいつ再生するのか?
第5章 2011年以降を戦い抜くために

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