【シェアビジネス最前線】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198631174
本日の一冊は、先行しているNHK出版の『シェア』に続き、出版された、シェアビジネスの最新論考。
※参考:『シェア』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814543
シリコンバレーの名物起業家、リサ・ガンスキーが著者だけあって、こちらの方がビジネス目線で書かれており、参考になります。
クリスマスツリーから自動車、子ども服…。ますます拡大するアメリカのシェアビジネスを紹介し、それぞれの勝因を説いています。
個人で購入するよりも幅広い選択肢、メンテナンス不要の手軽さ、保管場所が不要になるメリット…。
こうして考えると、シェアモデルには、数多くのメリットがあり、今後日本でも新しいサービスがどんどん出てきそうです。
本書には、アメリカシェアビジネスの最新事例がたくさん載っているので、これを参考にしただけで成功する起業家も出てくるかもしれません。
個人的に興味を持ったのは、シェアモデルに耐え得る商品デザイン(耐久性や汎用性、修理可能性など)について論じた部分で、これは新たなBtoBビジネスが生まれそうな予感です。
そして、考え方として参考になったのは、「顧客は誰のものでもない(中略)新たなトランザクションごとに、顧客との関係を結ぶ権利が生まれる。それがビジネスだ」という部分。
企業はとかく顧客を囲い込みたがるものですが、これからの時代はそれではいけないということを、痛感させられました。
読んでいるだけで、ビジネスアイデアが次々と湧いてくる、じつにワクワクする一冊です。
ぜひ読んでみてください!
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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スコット・マーティンはクリスマスツリーを共有する賢い方法を思いつき、それで稼ぎを得た(中略)街角の広場で売り出されるものよりも、スコットがレンタルするツリーは木の種類も大きさも選択肢がはるかに多い
アーバンスプーンのアプリケーションを携帯電話に入れれば、あなたが今いる場所をすぐ特定して付近にあるレストランを推薦してくれる。クレイグズリストでは緊急時に機械工を派遣してくれる
基本的に、メッシュはネットワーク対応のシェアリングを基盤に置く(中略)戦略の中核は、同じ商品やサービスをいかに多くの回数「売る」か
カーシェアリングの会社やそのパートナー企業は、車をシェアする以外のサービスも直接顧客に提供できる。ブランドを確立するうちに、ジップカーは飲食、ワイン、ホテル、フィットネスやインクカートリッジのリサイクル企業まで提携を発展させた
情報ネットワークを利用し、シェアすることでより効率的に生かされ、より大きな利益をあげられる有形の資源があなたのまわりに眠っていないだろうか?
世界的な人口増加によって都市の人口は急速にふくれあがっているが、人口密度が高くなることはメッシュ・ビジネスの発展にとってむしろ好材料だ
スレッドアップは今では取り扱いを子ども服だけに絞っている。子ども服は確実な成長分野だ。子どもというのは、六カ月ごとにまったく新しいワードローブが必要となるのだから!
◆メッシュビジネスで成功する商品デザインの条件
・耐久性がある
・汎用性がある
・修理可能
・持続可能社会に貢献する
自然界の一つのシステムで「廃棄物」とされたモノは、別のシステムでは食糧となる
私の見解では、顧客は誰のものでもない。強いて言えば、顧客を所有しているのは顧客だ。新たなトランザクションごとに、顧客との関係を結ぶ権利が生まれる。それがビジネスだ
「デザインは究極の再生可能資源だ」(キャメロン・シンクレア)
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『メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる』リサ・ガンスキー・著 徳間書店
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198631174
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◆目次◆
第1章 メッシュを理解する
第2章 メッシュで何がどう変わるのか?
第3章 メッシュなモノづくり
第4章 メッシュは時代を先取りする
第5章 メッシュで信頼を勝ち取るには?
第6章 生態系としてのメッシュ
第7章 メッシュはオープンである
第8章 メッシュ戦略とは?
第9章 メッシュの種をまこう
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