【イスラム教を学ぶ】
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大前研一さんの著書『民の見えざる手』を読んだ影響で、近いうちインドネシアに行こうと思っています。
※参考:『民の見えざる手』
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ただ、ここで問題となるのは、インドネシアは世界最大のイスラム教国だということ。
人口の約9割がイスラム教徒ということですから、これはイスラム教を学ばずに行くのは危険すぎます。
グローバル経済の時代、ビジネスマンにとって宗教は必須の教養科目。
ということで手に取ったのが、本日ご紹介する一冊です。
現在、テレビで大ブレイク中の池上彰さんが8年前に書いた本で、イスラム教の教えと過去に起きたさまざまな事件を手際よくまとめた入門書です。
イスラム教徒が守らなければならない5つの行い(五行)、「断食」の詳細、一夫多妻制、スンニ派とシーア派の違いなど、知らないと恥ずかしいイスラム教の常識が、じつにわかりやすく解説されています。
日本人の日常にはほぼ無関係のイスラム教を、ここまで興味深く読ませるのは、さすが池上マジック。
国際人の教養として、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私たちは誰でも死ぬことが怖いものです。いまの人生が途切れた後、その先がどうなるか、わからないからです
死ぬことが怖い人間は、「永遠の生命」にあこがれます
イスラムとは、アラビア語で「平和」を意味する「サラーム」という言葉から生まれています
世界で最大のイスラム教の国はアジアのインドネシアです。約二億人の人口のうち実に約九〇パーセントがイスラム教徒なのです
神はこれまでにもたびたび人間たちの中から選んだ預言者に言葉を伝えた。その内容は『旧約聖書』や『新約聖書』という聖典にまとまっている。にもかかわらず、人間たちは、その教えを守らなかったり曲解したりしている。そこで神は、ムハンマドに最終的な神の言葉を伝えた、ということになります
イスラム教徒は、ムハンマドを預言者として尊敬はするけれど、崇拝すべき対象とは考えていない
『ハディース』は「伝承」という意味で、ムハンマドの生前の発言や行動を記録したもの
『ハディース』には、ムハンマドが長いあごひげを生やしていた、という記述もあります。ここから、ムハンマドを見習って、イスラム教徒の男性は、あごひげを伸ばす人が多いのです
復活する人間には、そのための体が必要になります。そこでイスラム教では、死んだ人の体を火葬にすることはありません。必ず土葬にするのです。このため、日本で死亡したイスラム教徒を火葬にしてしまって、後で大問題になる、という事件が起きることがあります。日本では土葬がむずかしくなっていますが、山梨県には、日本のイスラム教徒のための土葬の霊園があります
イスラム教徒が天国に行くために地上で特に守るべきものとして、「五行」(五つの行い)があります。「信仰の告白」「礼拝」「喜捨」「巡礼」「断食」です
人間とは不思議なもので、禁止されると、その後に反動が来るらしく、断食期間中に消費される飲食物の量は、ふだんの月より多いそうです
二〇〇一年一月には、イスラム教徒が多いインドネシアで、「味の素」の製造過程に、豚の内臓から取り出された酵素が使われていたことがわかって、大きなニュースになった
子連れの未亡人たちと結婚することで、親子の生活を助けることが奨励された
スンニ派は、「偶像崇拝」はいけないという『コーラン』の教えを重視して、肖像画を掲げることをしない人が多いのですが、シーア派は、この点にあまりこだわりません
アメリカにも、八〇〇万人ものイスラム教徒がいる
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『一流たちの修業時代』、野地秩嘉・著、光文社
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◆目次◆
1.宗教とはなんだろう
2.ユダヤ教とキリスト教のことも知っておこう
3.イスラム教とはどんな宗教?
4.イスラム社会にもいろいろある
5.イスラム原理主義という言葉をよく聞くけど?
6.アフガニスタンはどうなっていたの?
7.中東問題はどうなっているの?
8.湾岸戦争とはどんな戦争だったの?
9.日本の神とイスラム教の神はどう違う?
10.仏教のことも知っておこう
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