【世界最大のSNSフェイスブック創業の物語】
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本日の一冊は、訪問者数でGoogleを抜いた世界4億人のソーシャルネットワークサービス「facebook(フェイスブック)」の創業物語。
最近、『Me2.0』の影響で、日本国内でもfacebookのユーザーが急速に増えていますが、なぜこのSNSがここまで急成長できたのか、ビジ
ネス上のヒントを学ぶことができます。
※参考:『Me2.0』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822248054
そして、何といっても本書の読みどころは、起業のワクワク感、そして成長に伴う裏切り、嫉妬などの人間模様です。
創業パートナーでありながら会社を追われたエドゥアルド、フェイスブックの原型となるサービスを考案していたにもかかわらず、マークに裏切られたタイラー、キャメロン、ウィンクルボス兄弟、そして「ナップスター」の共同創業者であり、フェイスブック初代社長のショーン・パーカー。
マーク・ザッカ─バーグに惚れ込み、フェイスブックに情熱をかけた人物がことごとく裏切られる。
そんな裏舞台を見ていると、渡邉美樹さんの「組織は人を食って成長する」という言葉を思い出します。
ビジネスを大きくするためにどんな考え方をすればいいか、どんな人物を集め、どう動かすべきか。
本書は、それを知るための生きたテキストだと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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マークは、コンピュータサイエンス専攻で、エリオットハウス寮に住んでいた。
歯科医、精神科医の息子として生まれ、ニューヨーク州ドブズフェリーのアッパーミドルクラスの街で育った。
ハイスクール時代は腕利きのハッカーだったようで、あちこちのコンピュータシステムに侵入することができ、あげくにFBIのブラックリストか何かに載せられたという話もある
マークは「シナプス」をウェブから無料でダウンロードできるようにしたのだが、すぐに大手企業から買収したいという連絡が入ったらしい。
マイクロソフトから、一〇〇万ドルと二〇〇万ドルの間くらい出すという申し出があったにもかかわらず、それを断ったという驚くべき噂もあった
(エドゥアルドは)代々事業を営んできた家柄だから、時代や社会環境に関係なく「人を知る」ことが成功するためにいかに重要かがよくわかっていた
エリートばかりのハーバードの中でも、特に選ばれたエリートと言えるタイラーやキャメロンだからこそ、いかにハーバードのキャンパスが社交面で問題があるがよくわかっていた。
彼らのように、女子学生が真っ先に結婚相手にしたいと思う男子学生に限って、女の子と出会うチャンスが少ないのだから。
何かに打ち込んでいるからこそ特別な存在になっている彼らは、忙しすぎて、時間がないのだ。
社交のためのウェブサイトがあれば、その問題を解決できるはずだ
アイデアをかたちにすべく動き出すには、何かそのための「推進力」を生み出すきっかけのようなものが必要だが、この時は、彼(マー
ク)が今晩感じた「苛立ち」や「落胆」がそれに当たる
フェイスマッシュにいた女の子は、直接的にしろ間接的にしろ、ハーバードの学生たちが知っている、身近な女の子たちの写真だったのだ。
あのサイトにあれほど多くのアクセスが集まり、数多く投票された事実を見れば、自分のクラスメートについて知りたいと思っている学生が非常に多いということは間違いない
使いやすく、シンプルで、美しい。「何てサイトだ」ショーンはつぶやいた。素晴らしい。彼の目が釘付けになった。ソーシャルネットワーク──このサイトの狙いが大学なのは明らかだ。大学は、ソーシャルネットワークにとって大きな「すき間市場」だった
製品の質や企業戦略では勝ち抜けない業界がある。
そんな業界で重要なのは、新規ビジネスを誰よりも早く立ち上げること、開拓者になることだ。
だが、コネクトUは出遅れてしまった。彼らは、マーク・ザッカ─バーグから受けた仕打ちを決して忘れてはいない。
タイラーは、マークが彼らからアイデアだけではなく、二ヶ月という時間も盗んだと思っていた
マークは、エドゥアルドが投資銀行での実務研修のためにニューヨークに行ったとショーンに説明した。
その瞬間、ショーンは嫌な予感がした。ナップスターとプラソという二つの企業の内部にいて、さらに多くの企業の成功と失敗を目撃してきたショーンにはわかっていた。起業において最も重要なのは、創業者のエネルギーと野心なのだ
エドゥアルドが会社の次のステージからいなくなってしまうのは残念だ。
だが、それはこのゲームでは日常茶飯事だ。エドゥアルドは正しい場所に、正しいときにそこにいた。
しかし場所は移り、時は光の速さで動いている。
エドゥアルドはしがみつこうとするかもしれない。
しかし、その素質がないことはすでに明らかだった
彼(エドゥアルド)は自分が耳にしたことを、この裏切りを信じることができなかった。
しかし、彼には選択肢がないと宣告された。
創始者であり最高経営責任者であるマーク・ザッカーバーグによって。
そして、フェイスブックの新社長によって
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『facebookフェイスブック』青志社 ベン・メズリック・著
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◆目次◆
まえがき
第1章 「ファイナルクラブ」で出会った男
第2章 ハーバードヤード
第3章 「ハーバードコネクション」
第4章 フェニックスの通過儀礼
第5章 ハッキング
第6章 寮への侵入
第7章 予想外の反響
第8章 エリートたちの思惑
第9章 勧誘
第10章 電子版ファックトラック
第11章 双方向のソーシャルネットワーク
第12章 マークの言い訳
第13章 「ザ・フェイスブック」運用開始
第14章 寝耳に水
第15章 警告状
第16章 学長への直訴
第17章 「ナップスター」創業者の登場
第18章 大金持ちの予感
第19章 マークの野望
第20章 タイラー達の逆襲
第21章 創業者の資質
第22章 ショーン主催のパーティー
第23章 踏み潰されるライバルたち
第24章 疎外されるエドゥアルド
第25章 「ペイパル」創業者への売り込み
第26章 フェイスブック株の行方
第27章 エドゥアルドの油断
第28章 株の売却
第29章 弁護士からの通達
第30章 ビリオンダラーベイビーの誕生
第31章 訴訟
第32章 ショーンのスキャンダル
第33章 冷徹な決断
第34章 パーティーは終わった
その後
訳者あとがき
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