【オシムの名言、再び】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047102385
本日の一冊は、2003年、ジェフユナイテッド市原をナビスコ杯優勝に導いた、前サッカー日本代表監督、イビチャ・オシムによる新刊。
ご存知ない方、サッカーにまったく興味のない方のために紹介すると、オシム氏は、その名言でも知られる人物。
出版業界の方であれば、ベストセラーとなったオシムの名言集『オシムの言葉』を記憶しているのではないでしょうか。
※参考:『オシムの言葉』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408746301X
前著があまりに良かったので、今回も相当期待していたのですが、さすがに名言は衰えを感じさせません。
サッカーに学ぶ戦略論、人材活用・育成論を期待して読んだのですが、期待以上の内容が書かれていました。
「人間はできる限り客観性を持たねばならない」
「情報があり過ぎるのはよくない」
「負けることへの恐怖感がないときには、選手は美しいプレーをする」
「誰かより弱いことを認めるならば「なぜ弱いか」を学べる」
あくまでサッカーの事例をもとに論じられているので、まったくサッカーがわからない人にとってはちんぷんかんぷんなところもあるのですが、それだけで読まないのは、あまりにもったいない。
個人が自分を高めるための言葉として、また勝負に勝つための秘訣として、幅広く読まれるべき内容だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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負ける覚悟も含めて、すべてにおいて、完全な準備をしなければならない。準備に「やり過ぎ」などという言葉はないのだ
人間はできる限り客観性を持たねばならないというのが、私の持論である。陶酔感が支配することは危険で、「敗北の覚悟」は常に持っておかねばならない
日本人は責任を他人に投げてしまうことに慣れすぎている。工場ならそれでも機能するかもしれないが、サッカーではそれは通らないのだ
情報があり過ぎるのはよくない。情報過多になると相手をあまりに過大評価して、それが、やがて恐怖となり、自分自身への自信喪失につながる
生活の中で規律正しい日本人は意外にも、試合の中でディシプリンを貫くことがそれほど好きではないように感じる。ディシプリンは重要な試合ではハイレベルで保たなければならない
悪条件下では、メンタルフィットネスの準備がとても重要
敗戦への恐怖。逆に言えば、極端なまでの勝利至上主義。これは、エレガントなプレーの邪魔になる要素である。負けることへの恐怖感がないときには、選手は美しいプレーをする
選手は野心を持たねばならない
私が訴える「スピード」とは、素早く考えどのような局面に置かれても、動きながら瞬時にして判断する「スピード」である
走らない者にプレーする資格はない
いきすぎた教育とは人間を硬直させるものである
人間的にポジティブで信頼され、チームの方向性を示すのが、本物のリーダーである。そして、そのリーダーは、チームによって選ばれなければならない
誰かより弱いことを認めるならば「なぜ弱いか」を学べる
自分で考え、何かを試さねば、バルセロナのようなチームは生まれない。バルセロナは、誰かを真似したからバルセロナになれたわけではないのだ
機関車がなければいけない。機関車なしでは列車は走らないのだ
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『考えよ!──なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』角川書店 イビチャ・オシム・著
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◆目次◆
第1章 日本はW杯グループリーグを突破できる
第2章 サプライズがあるからW杯は楽しい
第3章 日本代表への提言
第4章 なぜ日本人はリスクを冒さないのか?
第5章 日本サッカーの未来へ
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