【「利益思考」でできるビジネスマンに変わる】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492556621
最近、セミナー受講生や部下にマーケティングを教えていて、指導に行き詰まる度、疑問に思うことがあります。
それは、「ビジネスセンス」って一体何だろう? ということ。
稼げるセンスのある人とない人を分けるもの、何となく肌感覚ではわかっていたものの、いざ言語化すると、何なのかわからない。
そんな時に本書を読んで、「これだ!」と確信しました。
中身は何のことはない、土井が大学時代に学んだ「事業評価マトリクス」の話や、コア・コンピタンスの話、ビジネスモデルの話などが中心ですが、これを一冊マスターすれば、確かに利益を生むためにどう考えればいいか、そのセンスが身につく気がします。
本書の冒頭では、「利益=売上げ?コスト」という、ビジネスマンなら知っていて当たり前の式が出てきますが、これを詳細に見ていくと、確かに深い。
変動費だけで見ると正しくない価格戦略が、固定費も加味して考えることで正当化され、大成功をもたらした「100円マック」のケースなど、事例を見ながら学ぶ利益の話は、じつにワクワクします。
ほかにも、市場の魅力を市場規模だけでなく成長性、参入障壁の高さ、競合の多さなどから判断する方法など、若いうちに身につけておきたい視点が満載。
決して大げさではなく、これ一冊あれば、ビジネスに最低限必要な「利益思考」、すなわちビジネスセンスが身につくに違いありません。
ちなみに今後、エリエスでは、この本をベースにしてマーケターの教育を行っていこうと思っています。
みなさんもぜひ、読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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利益に対するセンスがないビジネスパーソンは、経営者から見ると、たんに無駄の多い作業をしている人でしかありません
◆利益思考の2要素
1.無駄を最小化する
2.新しい価値を生み出す
「良い商品」とは、「顧客にとって大きな価値のある商品」
「100円マック」の成功の秘訣は、コストの内訳で変動費に比べて固定費の割合が多いことに目をつけ、販売数を増やすことでコストを大幅に圧縮し、結果として利益を大きくしたことにあった
自分が仕事をするうえでのコストを考えてみましょう。これは年収+コーポレイトのコスト3割で計算すると、大まかな数字が出てきます。コーポレイトのコストとは、人事部や経理部などで必要な、社員をひとり雇って仕事をさせるのにかかってくる間接コストのこと
コーポレイト部門の人の生み出す利益を考えるにはいくつか方法論がありますが、わかりやすいのは外部からそのサービスを仕入れたときにかかるコストと比較することです
仮にある菓子のKBF(key buying factors)が「価格」であるなら、「他社製品に比べて安い値段に設定できる低コスト体質」が競争優位性を高めるうえで重要です。菓子の価格を他社より安くするには、原材料の調達先の見直しや大量生産大量販売、販売チャンネルの改良など、事業全般の仕組みの話になってきます。こうした事業全般に関わる成功するための要件を「key success factors」と呼びます
じつは飲料ビジネスのKSFは、味ではありません。もちろん味も重要ではありますが、ビジネスで成功するには、販売チャンネルと広告投資がそれ以上に重要になります
◆持続的競争優位性を保つ3つの視点
1.自社でそのビジネスを継続していけるか
2.競争相手の模倣・追随を避ける
3.変化するKBF・KSFに柔軟に対応する
セブン-イレブンは創業初期の段階で、好立地である酒屋にフランチャイズをもちかけました(中略)酒類を販売できるコンビニとできないコンビニでは、日商で数万円、月商で数十万円から100万円以上、売上げに差が出ます(中略)セブン-イレブンは酒屋が希少資源だとわかっていたからこそ、率先してそこを押さえにかかった
◆前提を疑い新しいアイディアを導く方法
1.極端な仮定の質問をしてみる
2.新人やアウトサイダーの視点を利用して、既存のやり方を疑う
3.否定形をつくる
◆MFTフレーム
市場×効用×技術
ビジネスの世界におけるバリューとは、あくまでも「お客様がそれに対する対価を払ってくれるもの」を指します。また、いくらバリューがつくり出せても、キャッシュ化できなければビジネスにはなりえません
利益思考の根本には、人間というものに対する洞察が不可欠
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『利益思考』東洋経済新報社 グロービス、嶋田毅・著
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◆目次◆
第1章 利益の本質を理解する
第2章 より大きな利益を生むビジネスとは
第3章 利益思考でビジネスを発想する
第4章 利益思考で考えるビジネスモデル
第5章 利益思考で実際に利益を手にする
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