【つい手に取りたくなるネーミング&コピー】
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マーケティングにおけるネーミングやコピーの重要性は、いまさら言うまでもないことですが、実際にいい言葉を考えようと思っても、なかなかうまくできないもの。
やはりここは、セオリー通り「真似ぶ」ことから始めたい。
そこでおすすめしたいのが、本日の一冊『買わされる「名付け」10の法則』です。
著者は、関西学院大学商学部教授で、ビジネスと言葉の関係を研究している則定隆男さん。
「人はコトバを使うと同時にコトバに使われている」をスローガンに、人間が思わず反応して買ってしまった「イメージ」や「言葉」を、事例とともに紹介しています。
天使のイメージを利用して売った「天使のブラ」や「天使の卵」、控えめな「i」で顧客の心をわしづかみにしたアップル、モーラ数を考慮してリズミカルなコピーを実現したセブン-イレブンの広告。
本書を読むことで、これらの広告がただの感性ではなく、ロジックに基づいて作られていることがよくわかります。
「缶入り煎茶」と呼ばれていた製品が「お?いお茶」(伊藤園)になった話など、マーケティングの歴史をつづった話としても、貴重な資料。
ネーミング、コピーの方程式と実例が学べる、有用な教科書です。
ぜひ、読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「天使は腕時計やブラジャーをしていないし、卵も生まない」と訴える人もいないし、訴えても採り上げてくれない。天使になったような気分を売っていることを買う側も納得しているのである
おもしろい話がある。あるアメリカ人が紹介する実体験である。この人は女性であるが、男性の友人と話しているときに、タバコの広告の話になった。すると、その男性は、「イメージ広告にだまされるバカが本当に多い」が、「私はひっかかるようなバカでは」なく、「買うときは味を見るのだ」と熱っぽく語る。そこで、何を吸っているのかと聞くと、Winstonと答えた。実は、Winstonの宣伝には誰にも何にも頼らないといった雰囲気の男の人が出てきて、こういうのである。「イメージでブランドを選ぶ人がいるが、私はそうではない。イメージは味わえない。私は味で選ぶ。だからWinston」
よくアメリカの裁判ドラマで宣誓の場面が出てくる。そのとき、聖書に手を置き、“I promise to tell the truth, the whole truth and nothing but the truth”と偽証しないことを誓う。“truth”が3度も出てくるのは、真実のみであることを強調しているだけではない。最初は、“the truth”と2語、次が“the whole truth”と3語、そして最後に“nothing but the truth”の4語と、語の数が増えて畳み掛ける感じが出て、リズミカルになる
後になるほどモーラ数が多くなる方が口調がよい
「ふぞろいの林檎たち」というテレビドラマから「ふぞろいの油揚げ」を思いつく(篠崎屋)
新しさを伝えるためには、必ずしも「新」というコトバを使う必要はない。「爽快感の歴史が変わる」(BAT Brands)タバコや、「チーズケーキの常識を変えた」(ルタオ)、「塗料の常識を変えた!」(アサヒペン)、そして「マスカラの限界を超えた」(イミュ)商品が登場する
多くの人が英語を学び、その意味を理解し始めると、その魅力は減少する。なじみのない英語や英語以外の外国語が求められるようになる
地名はイメージ操作の上で重要
三洋電機の炊飯器「おどり炊き」は、実際には中を見せてはいないが、このネーミングで炊飯の様子を目に見えるように伝える効果を与えている
「生」とは逆に時間が経過していても「熟」とつけば、やはり人気
「大」に代わり、「小」や「少」を意味する語が流行語となっている。カレーも、大盛りよりは「ちょい食べカレー」(グリコ)、「プチカレー」(中村屋)で健康管理。整形はためらわれるが、「プチ整形」ならかまわない。根っからの悪にはなれないが、「ちょい悪」にはなってみたいと思う
人はコトバを使うと同時にコトバに使われている
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『買わされる「名付け」10の法則』日本経済新聞出版社 則定隆男・著
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◆目次◆
プロローグ コトバを売る
第一章 際立たせる、覚えさせる
第二章 違いを出す、違いを説明する
第三章 イメージを利用し、イメージを変える
第四章 ネガティブからポジティブへ
第五章 気づかせ、意識を変える
第六章 目に見えるように描く、場面を描く
第七章 時代を捉え、リードし、先取りする
第八章 憧れを抱かせ、自信を持たせる
第九章 ターゲットを絞る、用途を絞る
第十章 ルールに従い、責任を回避する
エピローグ グローバル化に向けて
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