2009年10月26日

『営業の見える化』長尾一洋・著 vol.1925

【営業を見える化する方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806134740

本日の一冊は、経営コンサルタントであり、ベストセラー『仕事の見える化』の著者でもある長尾一洋氏が、2200社に導入した「営業の見える化」メソッドを紹介した一冊。

※参考:『仕事の見える化』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806133329/

著者いわく、「会社の中で、一番見えない仕事。それが営業だ」。

売上が順調に上がっていた次代はそれでも良かったが、現在はやみくもに客先を回っても売れる時代ではない。ヘタに回ればかえって営業経費ばかりが増えていく。

もはや、企業は非効率な営業を野放しにするのではなく、きちんと営業プロセスや販売の際のストーリー、競合や自社の製造部門など、販売にかかわるファクターを「見える化」するべきだ、というのが本書の主張です。

確かに、土井もかつて妻が勤めていた外資系生命保険会社の営業現場を見たことがありますが、営業プロセスは営業マン任せ、できる人の営業ノウハウがシェアされることもない、ひどい状況でした。

おそらく、成果主義を導入しているほとんどの営業現場は似たようなものだと思いますが、これではせっかくの組織力を生かすことができません。

やはり経営者、マネジャーはきちんと営業のプロセスを管理して、原因と結果がわかる、売上が読める、改善点がわかる、そんなしくみが必要なのだと思います。

たとえば、見込み案件数がいくつあるのか、見積もり金額がいくらなのか、受注率はどうかを知ることで、ある程度売上が把握できますし、また、商談期間や商談回数を知ることで、より合理的な営業を指導することもできます。

本書では、ITを活用したスケジュールの見える化をはじめ、見える化シートの作り方など、さまざまな提案がなされています。

自社の営業プロセスを見える化するために、ぜひ読んでほしい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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今は、人口減少のマーケット縮小で、デフレ基調。客先をまわっていれば売れる時代ではない。売れても単価が下がっているから金額が増えないし、ヘタにまわると営業経費ばかりが増える

◆「営業の見える化」とは
1.「結果ではなくプロセスが見えているか」
2.「数字ではなくストーリーが見えているか」
3.「登場人物(競合・自社の製造部門など)が見えているか」

営業と顧客の関係が固定化すると、そのとたんに顧客情報や営業ノウハウが見えなくなってしまう

「あるもの」を売るのではなく、「売れるもの」を売る

いまの時代、営業のスケジュールを紙に書いてまとめ、全員で共有するのは、たいへん非効率だ。原則としてITを活用したスケジュール管理にしたい

スケジュールの見える化を行なっていれば、即座の顧客対応が可能になる

経験豊富な営業のノウハウを「標準プロセス」に落とし込む

◆見込み客の情報共有
・「見込み客」の情報を、営業がばらばらに持っていないか
・「見込み客」の情報は、本当に使えるものが集まっているか
・失注したお客さまの情報がちゃんと残っているか

同じ見込み客に複数の営業がいても、そのままにする

初期アプローチを見える化すると、分業ができる

経験豊富な営業が、営業プロセスのすべてを行なうのは実は非効率

自社の営業を短期間で強化するには、ベテランの経験値を見える化したヒアリング・シートをつくるべきである

営業1人ひとりが、案件ごとに提案書を書くのは非効率だ。基本フォーマットがあれば、それを営業全員で使いまわしできる

提案書とセットになるのが、見積書だ。これも提案書と同じように、基本フォーマットをつくり、過去の履歴を保管管理して全社で共有する

営業同行の代用として、「ロール・プレイング(ロープレ)」と「見える化日報」を導入する

クレームをデータ化することで、何が起きているかが見える

「競合他社は何をしているか」を見える化する

営業を支えてくれるふだん目立たない人たちに目を向ける

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『営業の見える化』中経出版 長尾一洋・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806134740
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◆目次◆

Chapter1 営業はなぜ「見えなくなってしまう」のか
Chapter2 営業の「プロセス」を見える化する
Chapter3 「数字」を「ストーリー」に落としこむ
Chapter4 営業の「登場人物」を見える化する

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