【過疎地で年商200億?の24時間スーパー】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478009694
昔、商売人だった亡き父と神奈川にあるホームセンターを訪れた際、父にこんなことを言われました。
「都市部だから、この品揃えでいいんだろうけど、もしこれが地方だったら致命的だ。地方の店は、地元のお客さんのニーズに幅広く応える品揃えでなければ潰れる」
つまり、父が言っていたのは、地方は人口が少ないからリピートが命。供給が少ないから、地元密着を実現できれば、きちんと儲かる。逆に、都市部は人口が多いから、専門特化した方がメッセージが届きやすくなり、儲かるということです。
かつてセガのゲームセンターにいたとき、東京から配属されてきた店長が、この掟を破り、月3千万あった売上げを2千万円まで落とすという大失態をやらかしました。
彼は、都市部の専門特化するやり方を、地方に適用してしまったのです。人気のゲーム台をたくさん並べ、結果として品揃えのバリエーションを失ってしまったのが原因でした。
逆に、以前エリエスのオフィスがあった笹塚の「らーめん屋 豪快」は、地域に特化した戦略で成功しています。麺は細麺か手打ち麺、種類は坦々麺からちゃんぽんまで、何でも作れるので、毎日満員です。ちなみに土井は、週に2?3回は通っていました。
この地方の戦略を忠実に実現して、鹿児島の過疎地で大成功したスーパーがあります。「A?Z」です。
本日ご紹介する一冊は、この「A?Z」を展開し、年商200億を実現した株式会社マキオの牧尾英二社長による一冊。
効率を重視した幅広い品揃え、集客チラシは年数回だけ、過疎地なのに24時間営業…。
人口わずか2万7千人の田舎町で成功した、驚異の小売店の戦略が学べる、まさに生きた経営のテキストです。
不況、不況といわれるなか、やはり伸びる会社は伸びている。ビジネスの原点である「貢献」にフォーカスするために、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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従来の小売業では、商品の回転率を高めるために、品揃えを売れ筋商品に絞るのが常識です。一方、AZでは、販売効率はいっさい追求しません。商品のPOS管理(販売時点情報管理)もしません。地域の人々の日常生活に必要なものは何でも揃える、フルラインナップの品揃えを行っています
AZでは、タイムサービス、日替わり特価などの特売は原則として行いません。すべてのお客様に公平に安さを提供するため、いつでも安い「エブリデイ・ロー・プライス」を追求しています
商品を仕入れるときは地元の業者を最優先しています。また、仕入先に無理な値引きは要求しません。バックマージンなどの裏取引はいっさい行わず、取引先からの付け届けなどもお断りしています
従業員の待遇は、正社員もパートもアルバイトも、ほとんど変わりません
開店から一二年が経った現在、AZあくねは年間六五〇万人、一日平均一万七〇〇〇人のお客様が来店されています。年商は一〇〇億円
私どもは、けっして繁盛店を目指したわけではありません。中央からの陽が当たらず、不便な環境で生活している地域の方々のために、少しでも役に立てたらという一念で、これまで経営してきました
私は、管理小売業が標榜してきた「利益第一主義」「効率主義」をちょっと脇に置いて、小売業の本来の目的を目指したい
「人口三万人×三倍の来店回数×三倍の買上点数」で、商圏人口が二七万人いるのと同じ条件になります
たまたまAZの話を聞いて訪ねてきてくださったのが、野村證券鹿児島支店の支店長です。私が、銀行がなかなか融資をしてくれないので困っているという話をすると、熱心に耳を傾けてくれました。そして、「あなたの話を聞いていると、宅急便で成功したヤマト運輸が思い浮かびます。二四時間営業の大型店はきっと成功しますよ」と言ってくださったのです
売れそうな場所で、売れそうな商品を販売するという発想は、供給する側に都合がいいだけ
開店に際しては、一般的な小売業よりも売り値を八?一〇%安く設定
徹底したローコスト・オペレーション。それが私どもの経営の根幹
照明の明るさも一律にせず、売り場の特性にあわせて店舗内の照明のルクスを変えています
視察や取材に来られた業界の関係者がいつも驚かれるのが、醤油の品揃えです。醤油だけでも地場のメーカーを中心に約二六〇点を揃えています
「台風時のお手伝い」も私どもの使命
買物バスの料金は、片道一〇〇円が基本で、遠隔地でも一五〇円です。前日までに電話予約をいただくと、お客様の家の玄関先までバスがお迎えに行きます
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『利益第二主義』ダイヤモンド社 牧尾英二・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478009694
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◆目次◆
序 章 過疎地で奮闘する二四時間営業の巨大スーパー
第一章 素人だからこそ、お客様目線で前例否定できる
第二章 安さを実現する常識破りのローコスト経営
第三章 効率はいっさい無視、生活必需品はオール品揃え
第四章 損得を抜きにして、お客様を常に優先するサービス
第五章 従業員は自ら育つもの、マニュアルでは育たない
第六章 取引先もお客様、地域とどう共存するか
終 章 小売業は最後まで逃げ出してはならない
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