2009年10月2日

『エマソンの「偉人論」』R・W・エマソン・著 vol.1901

【エマソンの「偉人論」】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876883688

本日の一冊は、有名自己啓発書にも数多く登場する、19世紀アメリカを代表する思想家、エマソンによる名著の翻訳版。

ナポレオン、ゲーテ、シェークスピア、プラトンなど、誰もが知っている偉人を取り上げ、彼らの生き方や思想を紹介したもので、混迷の時代にあって生き方のモデルや指針を探るのに、有用な一冊です。

読んでいて興味深かったのは、偉人たちのほとんどが、時代によって、社会によって押し上げられた存在であるということ。

現在は、有名になるために自己主張をする時代ですが、本当に時代の寵児となる人物は、時代の主張や生き方を体現しているのだと気づかされます。

世界中の新興中産階級の代表となったナポレオン、時代の空気を見事にとらえ成功したゲーテ、真理を探究することで哲学の発展に貢献したプラトン…。

それぞれの人物の分析を読んでいると、これ自体が偉大になるための教本だとわかります。

偉大な人物になるために、どんな考え方をすればいいか、偉大な作品を書くために必要な要素とは何か。

土井が見るに、これは偉人伝の皮をかぶった自分プロデュース論です。

ブランド人を目指す方、リーダーを目指す方は、ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私たちの社会では、保守派と民主派の間で、つまり、すでに一財産をなした人たちと、これから財産を築いていこうと志す若者や貧困階級の人たちの間で、敵対感情が絶えません

実際、ナポレオンのようなタイプの人は、自分一個の言葉や意見などほとんど持たなくなるものです。彼は、巨大な受容力を持つ器であって、時代と国が生んだありとあらゆる知恵や機知、才能を己の内に残らず取り込んでしまうのです

誰しも自分の力だけで成功することはできません。そのためには、自然の勢いに乗じなければならないのです。ナポレオンもその例外ではなく、まず時代がこのような人間を待望し、しかる後にその期待に応えて彼のような人物が世に現れたのです

「己の政策が、周囲の現実によって左右されてはならない。むしろ、政策によって、現実をこそ変えていくべきなのだ」

優れた人たちに共通して見られることですが、ナポレオンもまた、これはという人物や、自らを凌ぐほどの逸材を集めました(中略)けれども、愚か者や半端者に対しては容赦をしませんでした

いつの時代でも、人は、その時代の常識にどっぷりとつかって、そこからなかなか抜け出すことができないものです

偉大なる行動というものは、内なる霊性の深みからあふれ出てくるもの

どんな類の罪であれ、それを犯しうる可能性は、自分自身の中にも
ひそんでいる

才能があれば、誰でも作家になれるというわけではありません。作品の背後には、それを書いた人間が生き生きと息づいていなければならないのです。何かの思想信条を表明する場合でも、それは生まれ持った一貫した個性と深く結びついていなくてはなりません

偉人が偉人たるゆえんは、その独創性のためというよりも、その器の大きさゆえのことなのです

まことの英雄は、普通の人々の中に立ち交じってさまざまな人生経験を重ねることで、衆人が求めるところを察知し、彼らの願いをわが願いとし、その願いを実現するために、高い見識と力量をもって全力を尽くすのです

真の独創家は、誰よりも模倣の大切さを知っている

何かひとかどのことをなし遂げようとするならば、高い立場からものを見なければなりません。哲学者も、単なる哲学者であってはならないのです

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『エマソンの「偉人論」』幸福の科学出版 R・W・エマソン・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4876883688
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◆目次◆

第1章 時代精神を担って登場したスーパーリーダー
──世俗の英雄ナポレオン
第2章 大いなる自己完成の達人──作家ゲーテ
第3章 人類最高の饗宴の司会者──詩人シェークスピア
第4章 霊的世界の探究に身を捧げた超天才学者
──神秘家スウェーデンボルグ
第5章 圧倒的なる知恵の総合プロデューサー
──哲学者プラトン
最終章 偉人と接すれば、自分の考え方も偉大となる

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