【伝説の雀鬼、負けない技術を語る】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062726068
世の中には、時代にピタリとハマる本がある。
先日ご紹介した『しがみつかない生き方』もそうでしたが、本日ご紹介する『負けない技術』も、まさにそんな一冊です。
※参考:『しがみつかない生き方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344981324/
なぜ本書が時代にハマるのかと言えば、それは、伝説の勝負師が、あえて「勝つこと」ではなく、「負けない」ことを主張しているから。
得ること、勝つことだけを追求した結果、多くの人が挫折してしまった、というのが現在の状態だとすれば、本書はそこに処方箋を示した一冊です。
「楽して儲けよう」という価値観を否定し、専門化の危うさを指摘し、さらには「褒める」という考え方を卑しいものとして切り捨てる。
多くのビジネス書が生み出した価値観をぶち壊し、自然の競争原理から「負けない」哲学を導き出す手腕は、お見事と言わんばかりです。
前作『人を見抜く技術』も読み応えがありましたが、こちらも負けず劣らず読み応えがあります。
※参考:『人を見抜く技術』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062725525/
勝つことを極めた著者だから語れる、人生の教訓が満載です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「オギャー」と赤子のときに産声を上げた瞬間から、どんな人にも悲しみや喜びとともに常に「不安」がつきまとっている。温かく居心地のよかった母胎から出た瞬間に感じる、人間の最初の感情が不安なのだ。そして、人はその不安を少しでも取り除くために確証を求める。自分の中に確証を見出せなければ、今度はほかのものに確証を求めようとする
「勝ちたい」という思考は自然界の中には存在しない。自然界の中にいる動植物たちには「本能で生きる」、つまり「負けない」という普遍のスタンスがあるだけであって、それ以上でもそれ以下でもないのだ。人がこの「負けない」力をつけるには、自然界の中にいる動物たちのように変化に対する動きと感性を磨くことである
「勝ち」だけを欲する人は、人生においても「得る」ことばかりを求める生き方になりやすい。しかし自然の摂理からいえば、得たものは失う定めにある
化粧をすることに囚われた人は、化粧をしないと表に出られなくなる
「格好よく勝つ」より「格好よく負ける」ことを考えたほうがいい
「勝ち」を求める人は、その動機や行動に自滅の要素を孕んでいる
人間には「食べなければ死ぬ」という基本原則がある。その基本原則は、人間だけでなく、生物すべてに通じることだ。それなのに人類は、自然を貪欲に消費の対象とし、生きるために必要な食料を自ら減らしていっている
辛くても厳しくても、我慢してスタイルを変えなければ、やがて“正しい流れ”がやって来る。それこそが「負けない」技術なのだ
なにかに囚われている人はなかなか色を変えられないので、その場に合わせていくことができなかったりする
勝負は“気づき”の多さで勝敗が決する。ということは当然、気遣いのできる人は勝負にも強い
褒められたい人間は、褒められなくなると文句ばかりつけるようになる
褒められなきゃダメ、褒めなきゃダメという関係は脆い。“ツーと言えばカー”というように、「わかってくれているんだな」という関係こそ強い関係なのだ
人間の怒りは、人にもともとある“被害者意識”から起こってくる(中略)「自分はいつも被害者だ」という気持ちではなく、「自分も加害者になるんじゃないか」と思うことで、怒りの感情は多少なりともコントロールすることができる
楽を求めてばかりいると、厳しい状況を耐え忍んだり、それを乗り越えていく力は育まれない
人生で「負けない」ためには“下の者から学ぶ”という姿勢がいかに大切なのか
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『負けない技術』講談社 桜井章一・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062726068
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◆目次◆
第一章 「負けない」は「勝つ」より難しい
第二章 「負けない」ための技術
第三章 強くなるには、どうすればいいか?
第四章 逆境を突破する力
第五章 人はだれしも無敗になれる
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