2009年8月2日

『ザ・メソッド』広瀬元義・著 vol.1840

【アンリ先生の講義で会社が生まれ変わる?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486063330X

本日の一冊は、会計事務所のネットワーク「FANアライアンス」を主宰し、中小企業の経営コンサルティングも手掛けるアックスコンサルティングの代表が、講義形式でまとめた中小企業経営の要諦。

「ビジネス成功研究会」の専任講師、アンリ・ジャールが中小企業経営者に語りかけるという形式で、会社哲学から愛と奉仕のチーム作り、お客様の心をつかむマーケティングプロセス、レバレッジ経営、キャッシュフロー経営の秘訣まで、幅広く学ぶことができます。

講義形式で書かれたビジネス書は数多くありますが、そのいずれもが「内容が薄い」か「わかりにくい」のどちらかに陥り、失敗しています。

ところが本書は、講義の臨場感を保ったまま、わかりやすく、かつ実践的な内容を盛り込むことに成功しており、中小企業の経営者なら、きっと気づきが得られるものと思います。

マーケティングに関する部分は、やや著者の成功体験が先行しており、汎用性が限定されていますが、ャッシュフロー経営のための会計の要点や、成功企業の実例、そして経営者の心構えを教えるために引かれたエピソードは参考になります。

社員と正しく向き合うことの重要性を教えるために紹介されたトンプソン先生とテリーの話、カリフォルニアロールに込められた教訓、ノードストロームの接客…。

感動あり、学びあり、実践のヒントあり、の3拍子で、これから独立を考える方、中小企業経営者にはとくにおすすめしたい内容です。

ぜひ買って熟読してください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「鉛筆一本まで会社は自分のもの」と考える

皆さん方のような程度の会社では、“社会”とか“株主”とか“社員”とか言う前に、会社は自分自身なのだと考えて、大事にし、育てていかなくてはならない

お金は稼ぐときより使うときに人格が出ます

自分を気持ちだけでもクビにしたつもりになって、コップを空にした気持ちで、変化に臨んでほしい

自然界には「成長していこうとしている」か、「死んでいこうとしている」のか。その二つの存在しかありません

アボカドの入ったカリフォルニアロール。外側に海苔ではなくご飯がむき出しになっています。つまり海苔が内側にあります(中略)アメリカ人は海苔が苦手だったのです。黒い色をした食材は一般的ではありませんでした

あなた自身が会社に愛を与え、社員を愛し、商品を愛し、お客様を愛するなら、社員も会社に愛を与え、同僚を愛し、商品に愛情を持ち、お客様を愛する

人を採用するときには、その人が持っている能力や技術を優先すべきではありません。こういう人と一緒に仕事がしたいという人を採用するべきです

◆会社が軌道に乗ったとき、社内でしなければならないこと
1.過去にしてきた仕事の管理
2.現在の目の前の仕事をこなしていくこと
3.会社の未来をつくり出していくこと

ずばり一言で教えてあげてください。「仕事とは成果を上げることだ!」仕事=効果÷投入資源

「徳の高い者には高い位を、功績の多い者には報奨を」(西郷隆盛)

かりに「ここの会社では……」などという言い方をしたら「私たちの会社」ときっぱり言い直させる

古い体質の会社はみんな、お客様のために(for)と言います。一方で、時代の変化を読んでいる会社は、お客様と一緒に(with)を合言葉にします

◆レバレッジ経営の3つのタイプ
1.他人の力を使う 2.道具を使う 3.しくみを使う

単品で勝負するよりも商品群で勝負する

◆キャッシュフロー経営のための会計の要点
1.月次決算(翌月五日までに月次決算書=試算表を用意)
2.オープンブック
3.目標設定をして目標管理をする
4.経営会議を開く
5.行動計画の設定と管理

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『ザ・メソッド』あさ出版 広瀬元義・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/486063330X
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◆目次◆
メソッド1 きちんとした会社哲学を持つ
メソッド2 愛と奉仕のチームを作る
メソッド3 お客様の気持ちはぐっとつかんで放さない
メソッド4 小さな成果もレバレッジを使って大きくする
メソッド5 固定ファンにあらためて買ってもらう
メソッド6 あなたのリーダー力をワンランクアップさせる
メソッド7 キャッシュの本質を理解する
メソッド8 数字はシンプルに理解しねばちっこく確認する
エピローグ

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