【やる気はいらない? 宋文洲の過激論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344017110
先日、大阪のセミナーで、「自分の理念を持て。そうしないと、業績が下がった時に、モチベーションまで下がることになる」という趣旨のことをお伝えしました。
確かに、いろいろと事情を伺うと、みなさん売上激減で、大変な企業が多い。
でも、もしその企業や個人に理念があれば、どんなに苦しくても理念を実現しようと思い、頑張れるはずです。
現在、日本が不況で社員や経営者にやる気がないとしたら、それは、お金でモチベートされた人がお金を失ってやる気を失ったというだけにすぎません。
大切なのは、やる気を出させることではない。行なうべきことにきちんとフォーカスすることなのです。
本日ご紹介する一冊は、ベストセラー『やっぱり変だよ日本の営業』の著者であり、ソフトブレーンの創業者、宋文洲さんによる新刊。
※参考:『やっぱり変だよ日本の営業』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4931466656/
不況になり、「やる気」一辺倒の日本企業に対し、今やるべきことは何なのか、思い出させてくれる、貴重な一冊です。
「やる気があっても、なくても、同じようにチャンスを与え、成果を上げた人をきちんと評価する。これが上司の王道」「渇きこそ、モチベーションの源泉」「上司は『失敗するな!』と言うのではなく、『失敗を恐れるな!』と部下に伝えるべき」
など、マネジメントに役立つ言葉が満載。
ある意味、マネジャー向けの権謀術数の書とも言うべきもので、
「経営者や上司には、モチベーションの低い社員の背中を押して、『ほかの会社に行きなさい』と言う勇気が必要」「ほめることが日常化してしまうと、社員がほめられるのに慣れてしまい、ほめてくれないと仕事をしなくなります」
など、現実的な考え方も数多く示されています。
「部下のモチベーションが下がっている。何とかしないと」と考えたら、それは危険信号。
正しくマネジメントを行うために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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やる気があっても、なくても、同じようにチャンスを与え、成果を上げた人をきちんと評価する。これが上司の王道です
喉が渇いたら、馬は自ら水を探します。そのときは、馬が真剣に、水の匂いを嗅ぎ分け、道を探すのです。水がいらない馬を、川に引っ張っていくことは、ムダなことであり、自己満足にすぎません
タクシー会社のドライバーに比べて、個人タクシーのドライバーは、無愛想な人が多い
ミスをきちんと認めて反省し、何が問題だったのかを考える。そうやって人は成長するのです
会社の目的はお客さんを喜ばせることであって、社員を喜ばせることではありません
「やる気はなくても、給料をもらっている以上、その分は働く」そういう社員が増えれば、会社は、そこそこの業績を上げることができます
上司は「失敗するな!」と言うのではなく、「失敗を恐れるな!」と部下に伝えるべきなのです
◆部下を叱るときの三つの鉄則
1.会社の規定やモラルに反するときだけ叱る
2.ミスをした事実だけを指摘する
3.社員の人格を攻撃しない
ほめることが日常化してしまうと、社員がほめられるのに慣れてしまい、ほめてくれないと仕事をしなくなります。そうなったら、元も子もありません
経営者や上司には、モチベーションの低い社員の背中を押して、「ほかの会社に行きなさい」と言う勇気が必要
営業経験のない社員だけの商品企画部はいらない
「ホウレンソウ」の徹底が、責任転嫁を生む
人間をマネジメントするのではなく、仕事をマネジメントするのが上司の役目
私は基本的に、人間の能力には、ほとんど差がないと思っています。その差が広がるのは、緊張感を持った人間が一生懸命、能力を磨く努力をするからです
不景気だからと、見切り発車で安売りを始めたところは、早晩、限界に達します
上司が見るべき成果は、プロセスの中にある
あえて屈辱的なことを経験すると、精神的に強くなります
「お金がない」のは、お金の使い方を間違っているから
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『社員のモチベーションは上げるな!』幻冬舎 宋文洲・著
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◆目次◆
まえがき
1章 社員のモチベーションは上げるな!
2章 やる気のない部下はこうして動かす
3章 「上司は動くな」は大間違い!
4章 不況に強い会社には秘密がある
5章 できる社員はこう生きる
6章 やる気のないあなたに救いはあるか
7章 「差」があるから、がんばれる
あとがき
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