【人間の認識や行動の秘密を脳科学が解き明かす】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4255004323
本日の一冊は、ベストセラー『海馬』で糸井重里とコラボして以来、すっかり有名になった池谷裕二さんの最新作。
※参考:『海馬』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4101183147/
著者の出身高校で行った4つの講義を紙上で再現したもので、じつにわかりやすく、かつ知的刺激にあふれる一冊です。
脳関係の本は、本書に限らずたくさん出ているわけですが、人間がどうやって情報を処理しているか、どうやって感じ、判断しているかを知ることは、ビジネスにおいて重要なポイントとなります。
本書では、脳が起こす錯覚やクセについて、興味深い事実、調査結果をいくつも紹介しており、購買行動の謎を解き明かす、重要なヒントとなりそうです。
読み物として読んだ場合も、
「脳は相関が強いときに、勝手に“因果関係がある”と解釈してしまう」
「(顔の)左側さえ男だったら、右が女であっても全体を男だと思っちゃう」
「僕らにとって「正しい」という感覚を生み出すのは、単に「どれだけその世界に長くいたか」というだけのこと」
など、興味深い情報がてんこもりで、友人と一緒に情報をシェアしながら楽しむことができます。
QRコードから動画特設サイトに行く仕掛けも施されており、じつにユニークな一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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とくに強調したいことは、サイエンス、とくに実験科学が証明できることは、「相関関係」だけだということです。因果関係は絶対に証明できません
「脳は相関が強いときに、勝手に“因果関係がある”と解釈してしまう」もの
外の世界が動いていようが動いていまいが、そんなことは関係ないってことです。外界が静止していても、MT野ニューロンが活動してしまえば、それは私たちにとって、「動いている」こととまったく同じ。つまり、「脳の活動がすべてだ」ってことです
夫婦関係が円満で、WDAスコアが高ければ高いほど痛みの消失効果が高い
脳は顔に敏感なんです。ところが、顔全体をじっくり隈なく見ているようで、実際には、顔の半分しか見ていない。左側だけです。左側さえ男だったら、右が女であっても全体を男だと思っちゃう
スーパーマーケットや八百屋では、特売品やセール品は、人の流れに対して左側に置くと目に留まりやすく、販売数も伸びるという話があります
悲運・逆境にあるとかえって愛情が燃え上がってしまう
快楽を目の前にすると、どうしても快楽に引きずられて、ことの重大さに気づけなくなってしまう
睡眠は脳や体をクールダウンするための休息時間では決してなくて、もっと積極的に情報の整理や保管を行うための活動的な「行為」
記憶が未来のための情報保管というのは自明として、もうひとつの大切な役割は、<自分>という自我を存続させるということ
僕らにとって「正しい」という感覚を生み出すのは、単に「どれだけその世界に長くいたか」というだけのこと
自分の行動がまず先にあって、その行動の起源を常に探している
自分自身の「状態」について理解するためには、それに相応しい環境や教育が必要なんだ。「自分を知る」ことができる能力は学習の結果なんだよ
他人の眼差しを内面化できるのが人間
エピソード記憶は、<いつ><どこで><何を>した、という3つの要素が揃っていなければならない
自由なつもりでいるのは、あくまでも自分の意識の上だけであって、実際の思考はいくつかの決まりきったパターンしかつくることができなくて、そのパターンに従って、ただ口述しているだけ
アリの社会は、言うことを聞かないヤツを必ず残しておく。進化の過程で排除しなかった。それはなぜだと思う?
――そのアリがもっと短いルートを見つけるかもしれないから……
僕らが並行処理できることは7個まで
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『単純な脳、複雑な「私」』朝日出版社 池谷裕二・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4255004323
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◆目次◆
第一章 脳は私のことをホントに理解しているのか
第二章 脳は空から心を眺めている
第三章 脳はゆらいで自由をつくりあげる
第四章 脳はノイズから生命を生み出す
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