【起業家は必読の一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4827550719
最近は、「社会起業」という言葉がブームになっているようですが、土井が思うに、ビジネスというのは本来、社会のためにあるものです。
人々の幸せと自らの理想を結びつけ、それを継続すべく、収益モデルを作り上げる。あとはひたすら努力するのみですが、これは言うほど簡単ではありません。
キャッシュがどんどん減って行く一方で、収入の見込みはない。宅急便を創った名経営者、小倉昌男さんだって、最初はそんな状況でした。
ビジネスで勝利するのは、最後まであきらめない人間。
成功するための唯一絶対の法則は、「成功するまであきらめない」ことなのです。
じつは、土井の知人にも、この原則を守って、大成功を収めた人物がいます。
その人物こそ、いまや600万人の女性が支持するという日本最大の料理レシピサイト「クックパッド」の創業者、佐野陽光社長。
大学時代、ソーラーカーを作ったり、地場の野菜を売ったりして、当時から「変な奴だなあ」と思っていたのですが、社会人になって再会したら、今度は料理レシピのサイトを作るという。
それも、100万アクセスを実現したのに、まったく「食えていない」というのです。
そんなクックパッドが、いまや600万人のユーザーに支持され、かつ広告主からも熱い視線を注がれている。
本書は、その成功の秘訣を、ベストセラー『プロ論。』の執筆で知られる上阪徹さんが書いた一冊。
※参考:『プロ論。』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198619611/
「おいしい料理は確実に人を笑顔にする」という気づきから始まった起業の物語、そしてビジネス成功の秘訣が、じつに詳細に書かれています。
ユーザーフレンドリーを目指して、機能を徹底的に絞り込んだサイト、「小説を書くみたいにレシピを作る」ことが可能な書き込み機能、ユーザーのアクセス解析をもとに改善を続け、たどり着いたカタチ…。
苦境にありながらも、出資や買収の申し入れを断り、頑なにこだわり続けた「料理を楽しくする」というコンセプト。
いつも笑顔だった彼が、こんなに苦労していたとは。
同じ経営者として、その努力とビジネスへの真っ直ぐな姿勢に感動しました。
ウェブサイトを中心にビジネスを展開する人には、必読。「ノー残業手当」はじめ、ユニークな経営手法を学びたい方にも、おすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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おいしい料理は確実に人を笑顔にする、と思った
「社内で話し合って出てきたゴールのイメージが“小説を書くみたいにレシピを作る”だった」(佐野)
説明が必要なサービスは、レベルが低い
小さなほころびを絶対に放置しない
「面白いのは、一三文字を超えると可読性が下がり、二四文字を超えるとさらに下がるということ。そこでクックパッドでは、なるべく八文字から一三文字で伝えるようにしています」(佐野)
ユーザーの印刷率は、ほしい情報が手に入ったかのバロメーター
「愛がある道具を使うと、創作意欲そのものが刺激される」(佐野)
クックパッドでは「モノ作り三原則」が定められている。「無言実行」「必ず値段をつける」「無言語化」の三つだ
「正直に申し上げますが、入社したときの給料は月五万円でした」(小竹)
「結局、失敗や成功というのは、経営者自身が決めることなんだ」(佐野)
「収入が少ないのに、出資してもらっても赤字が増えるだけじゃないですか。それよりも必要だったのは、ちゃんと利益が生み出せる仕組み」(佐野)
かつて(森下が)働いていた大手広告代理店に、実は一〇〇万人も女性ユーザーが集まる料理レシピのサイトがある、と伝えると、大きな驚きが広がった
「人気のレシピ投稿者の方に、実際に試していただいて、この電気圧力なべを使って何ができるのか、どんな点がよかったのか、クックパッド内でレポートしていただいたんです。これが、大反響にな
りまして。日経ネットマーケティング誌で公表された年間の販売台数が、一気になんと二六倍の五五〇〇〇台に伸びたんです」(森下)
お金を払ってくれる顧客だけを見ていると、事業を見誤る
冬には鍋の検索がやはり多い。だが、地域別データを見てみると、メインの検索キーワードが地域ごとに違うことがわかる。北エリアは鶏肉。だが、中国地方は、圧倒的に蟹。近畿地方ではつくね鍋が人気。鱈は東北。これも、定量的にわかるのだ
やはり経営的に苦しい時代を生き抜いてきたからだろう。何が合理かは徹底的に重視する。例えば、机や椅子は新品である必要はないと判断すれば、迷いもなく中古を選ぶ
残業するよりしないほうがトクをする「ノー残業手当」
「個人がやりたいことと、得意なことと、給料が上がること。その三つが重なる場所に自分をポジショニングできるかどうか。そのためには、会社と個人が真剣にやりとりして、役割を調整しないとい
けない」(佐野)
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『六〇〇万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』
角川SSコミュニケーションズ 上阪徹・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4827550719
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◆目次◆
はじめに
序章 女性なら知っている。料理サイト「クックパッド」
第一章 就職を選ばなかった男が、辿りついた目標
第二章 クックパッドは、なぜ「女心」をつかんだのか
第三章 細やかなサービスを実現するのは、テクノロジー
第四章 広告を見た人から「ありがとう」といわれるサイト
第五章 六〇〇万人を呼び込む「経営」と「マネジメント」
おわりに
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