【セブンに学ぶ商売の秘訣】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833450399
本日の一冊は、セブン&アイ鈴木敏文会長兼CEOの言葉や同社の過去の取り組みから、不況に勝つ商売のヒントを学べる一冊。
値引きよりもキャッシュバックや現金下取りのほうが顧客の心理に響く、一〇%、二〇%引きよりも消費税分還元セールのほうが売れる、一万八〇〇〇円、三万八〇〇〇円の二種類に五万八〇〇〇円の商品を加えると、三万八〇〇〇円の羽毛布団が売れるようになるなど、まさに顧客心理を突いたアイデアが満載です。
実際に同社が実験して成果が上がった方法を取り上げ、データつきで説明しているので、ダイレクトに商売の参考にできます。
薄いムックで、簡単に読める割には中身が濃く、とくに商店経営者、中小企業の社長、マーケターなどにはおすすめの一冊です。
また、本書は、仕事の心構えとしても、有用。
「われわれの競争相手は絶えず変化する顧客ニーズ」
「みんなが反対することはたいてい成功する」
「仕事が多くてもむやみに人を増やしてはならない」
われわれは、ついついライバルや上司の顔ばかりが気になって、結果、いい仕事が阻害されるわけですが、本書ではそんな罠に陥らないためのヒントも書かれています。
小売業の最先端をひた走るセブン&アイ。その経営の真髄を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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イトーヨーカ堂が行って大ヒットした不況突破企画が二つあります。一つは「キャッシュバック」キャンペーンです。衣料品を中心に、お買い上げ金額から最大二〇?三〇%を現金でお返しするというものです(中略)もう一つの企画は「現金下取りセール」です。期間中の衣料品のお買い上げ金額合計五〇〇〇円ごとに、お客様の不用になった衣類を一点一〇〇〇円で現金下取りする
値引きよりもキャッシュバックや現金下取りのほうが顧客の心理に響くのは、価格に対する信頼度が薄れている面もあるのでしょう
競合店の出店は、自分たちの店のよさを比較して評価してもらえる物差しができたことになります
われわれの競争相手は絶えず変化する顧客ニーズです
消費税率が一九九七年に五%に引き上げられ、消費が冷え込んだ次の年、鈴木氏は「消費税分還元セール」を発案した。営業幹部に提案すると、「普段の売り出しで一〇%、二〇%引きでも必ずしも売れるわけではないのに五%では魅力を感じてもらえるはずない」と反対された。そこで、前年の北海道拓殖銀行の破綻以来、消費が冷え込んだ北海道で試してみると、これが大反響を呼び、翌週には全店に展開することになり、売り上げ六〇%増の大ヒットになった
顧客のニーズに応えるには、本当においしくなければならない。それは同時に“顧客が飽きる商品”をつくっていることにもなる
みんなが反対することはたいてい成功する
仕事が多くてもむやみに人を増やしてはならない
多様化、多様化といいますが、私が消費の最前線で見る日本人の姿は明らかに“画一化”です。その傾向はますます強まっています
おでんはセブン-イレブンでは顧客が鍋から好きなネタを選べる方式です。ヨーカ堂でもこの方式で販売したところ、なぜかあまり売れませんでした。そこで袋に詰めて鍋の前に並べておく方式に切り替えた途端、売れ行きが三?四倍に伸びました。スーパーの場合は家族の分までまとめて購入するため、選ぶ楽しさより、手っ取り早くて持ち帰りやすさを優先するのです
ヨーカ堂で羽毛布団を販売したときのことだ。初め一万八〇〇〇円と三万八〇〇〇円の二種類を並べて販売したところ、一万八〇〇〇円のほうが売れ、三万八〇〇〇円の商品は人気がなかった。ところが、ここに一ランク上の五万八〇〇〇円の商品を置いた途端、三万八〇〇〇円の布団が一番売れるようになった
“売れた”からでも、“売れている”からでもなく、“売れると思う”から発注する。意志のある発注とは明日の顧客に向けたメッセージであり、そのメッセージは仮説を立てることによって生まれます
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『なぜ、セブンでバイトをすると3カ月で経営学を語れるのか?』プレジデント社 勝見明・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833450399
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◆目次◆
セブン&アイ鈴木敏文会長兼CEO緊急インタビュー
2800万人の財布から見えた「売れる秘密」
PART1 鈴木流「逆転の発想術」を学ぶ
PART2 鈴木流「マーケティングの極意」を学ぶ
PART3 鈴木流「ビジネス心理学」を学ぶ
PART4 鈴木流「情報術」を学ぶ
PART5 鈴木流「仮説の立て方」を学ぶ
おもしろくてためになる セブン-イレブン豆知識
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