2009年3月31日

『グリーン革命(上)(下)』トーマス・フリードマン・著

【オバマ大統領も絶賛!「フラット化」に次ぐ待望のベストセラー】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314410

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本日の一冊は、アメリカで100万部を突破したトーマス・フリードマンの大ベストセラー、『Hot, Flat,and Crowded』の待望の邦訳。

ベストセラーとなった同著者の『フラット化する世界』に続く大作で、今後世界がどう変わって行くのか、来るべきグリーン革命ではどんなビジネスチャンスが待っているのか、今後の技術開発戦争のポイントは何かなど、詳しく書かれています。

現在、世界経済が行き詰まっているのは、既存のシステムが成長の限界に達したから。

本書は、次なる発展の機会と世界の持続可能性について述べたという点で、ビジネスマンに限らず、すべての人が読むべき一冊です。

著者の予言通りにならなかったとしても、本書を読むことで、今後われわれの生活がどうなっていくのか、シミュレーションはできると思います。

個人的には、個人ごとにエネルギープランを電力会社が提案する、という部分が参考になりました。

確かに、こんな時代が来れば、家電から車まで、ありとあらゆる製品が仕様変更を迫られ、新たなビジネスが出てくると思います。

人々のライフスタイルも変わり、ビジネスが俄然おもしろくなると思います。

オバマ大統領も熟読し、主要政策に反映させたという本書。

来たるべき「グリーン革命」に備えるために、ぜひ読んでおきたい、現代人必読の書です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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【上巻】
温暖化とフラット化と人口過密化が重なったことで、具体的には、エネルギー供給が逼迫し、植物と動物の絶滅が加速し、産油国の裁体制が強化され、天候異変が加速している

私たちは、自分たちの未来に投資せず、それを抵当に入れるようなことをつづけてきた

自動車メーカーの経営幹部はけっして口にしないだろうが、大衆がつねにSUVやハマーのような車をほしがる理由の一つは、自動車メーカーや石油産業が議会に対して執拗なロビー活動を行ない、大衆の求めるものが変わってしまうようなガソリン税の増税に反対しているからだ

中国にはこんな諺がある。「風向きが変わるとき、あるものは塀を建て、あるものは風車を作る」

人間が必要とし、かつまた使っているエネルギーの主な形は、明かり、熱、機械と移動手段の動力、電気の四つになる

アメリカの石油中毒は、地球温暖化を促進し、石油独裁者の勢いを強め、きれいな空気を汚し、民主主義国の勢いを弱め、過激なテロリストを富ませる

石油、金、天然ガス、ダイヤモンド、その他の天然資源が発見されると、急に外貨が流入して通貨価値が上がる。通貨が上がると、国のバイヤーにとってはその国の商品価格が高くなり、輸出向けの製品の競争力が落ちる。いっぽうその国の国民は、外国製品を安く買えるようになる。金があり余っている国民は、外国の安い製品をがむしゃらに買い、国内の製造業は全滅して、国全体の産業が衰退する

発展途上国のあらゆる問題は、エネルギー問題でもある。教育の問題は、教師不足と――エネルギー不足だ

【下巻】
安い電気を食べ放題のビュッフェに提供している石炭、天然ガス、石油は、地球温暖化、小児喘息、酸性雨、森林破壊、生物多様性の喪失、石油独裁主義の原因になっている

エネルギー・イノベーションを促すような価格シグナルは、政府が設定する必要がある。一つのシステムからべつのシステムへ移るとき、どんなときでも最初の一歩には痛みがともない、現状維持よりも金がかかる

「適切に立案された環境規制は、テクノロジーのイノベーションを触発し、費用削減と品質改善をもたらす。その結果、国内ビジネスは、国際市場で卓越した競争力を得て、産業の生産性も向上する可能性がある」(マイケル・ポーター)

アメリカでは、発電されている電気の四〇パーセントが無駄になっているか、電力負荷を引き下げて操業されたり、夜間に最適とはいえない状態で運用されている

気候変動を食い止めなかった場合、中国の主な穀物の生産(小麦、米、トウモロコシなど)は、二一世紀後半に三七パーセント減少するだろうと、呂理事は新華社通信に述べている

アメリカがいま自国や中国や国際社会のためにできる最高の仕事は、グリーン戦略で中国に勝つという意図を公にすることだ

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『グリーン革命(上)(下)』日本経済新聞出版社 トーマス・フリードマン・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532314410

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◆目次◆
【上巻】
第一部 現状
第1章 鳥も飛ばない場所
第2章 エネルギー気候紀元第一日、天候はホット、フラット、クラウデッド
第二部 現状への道のり
第3章 私たちのコピー(アメリカ人が多すぎる)――エネルギーと資源の供給と需要
第4章 独裁者を満タン――石油政治
第5章 地球惑乱――気候変動
第6章 ノアの時代――生物の多様性
第7章 エネルギー貧困
第8章 グリーンこそがアメリカの新しい旗印
第三部 前進の道すじ
第9章 地球を救う二〇五の簡単な方法

【下巻】
第三部 前進の道すじ(承前)
第10章 エネルギー・インターネット:ITがETと出会うとき
第11章 石器時代が終わったのは、石がなくなったからではない
第12章 おもしろみがあったらグリーンではない
第13章 一〇〇万人のノア、一〇〇万隻の方舟
第14章 対アルカイダ・グリーン奇略(もしくは、一つ買えばおまけが四つ)
第四部 中国
第15章 赤い中国はグリーンな中国になれるか?
第五部 アメリカ
第16章 一日だけ中国になる(でも二日はだめ)
第17章 民主的な中国か、それともバナナ共和国か?
謝 辞
索 引
訳者あとがき

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