【公務員がビジネスマンになる日】
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不況になり、財務体質の健全な企業は、この機会に優秀な人材を確保しようと日夜励んでいることと思います。
また、企業にお勤めの方やプロフェッショナルの方は、こんな時代にどんなキャリアを描けばいいか、迷っているのではないでしょうか。
そんな時、選択肢のひとつとして考えたいのは、公務員からビジネスマン、ビジネスマンから公務員というキャリア。
経営者であれば、もともと学力のある優秀な人材を確保する機会が、専門性の高いビジネスマンであれば、より大きなやりがいのためにチャレンジできる可能性が、現在は広がっているのです。
そんな公務員の人材流動化の現状と問題点、そしてそこに潜むチャンスを書いたのが、本日ご紹介する一冊。
著者の山中俊之さんは、外交官を経て、日本総合研究所でコンサルタントを務める人物。
これまでに約2000人のビジネスマン、公務員にインタビューし、また公務員改革に挑んできた著者が、これまでの調査結果を披露した、じつに読み応えのある内容です。
ビジネスのヒントとして、また自身のキャリアの選択肢を増やす手段として、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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日本列島を晴れ間にする解決策とは、官民の人材を流動化させること。官僚の中枢に公募で有能な民間人を入れるとともに、余る大量の公務員は、民間に転進してもらうのです
公務員をクビにできないなんて、間違いです。国家公務員法にも、地方公務員法にも、人員過剰の場合の解雇ともいえる分限処分について、明確に定められているのです
歴史を見れば、社会の発展は、人が垣根を思い切って超えたときに起こっています
垣根は、組織、地域、専門分野の三つの垣根を越えることが必要産業構造変化において重要なのは、古い産業の保護ではなくて、知的付加価値を出せる人材をはじめとする人材の流動化
◆著者による公務員改革案
1.新卒採用をやめる
2.中堅や幹部に高い業績を上げうる民間経験者を入れる
3.幹部公務員は任期付きにする
「民間経験あり公務員」は世界の趨勢
高度な専門家について、任期付きで採用して、高度な専門性に相応しい給与が支給できる仕組みが整った
◆役所で中途採用すべき人材
1.会計に強い人材
2.資金調達・IR・財務の専門家
3.IT戦略を描ける人材
国会議員で、国家財政悪化の責任をとって、人件費を削減するという意見は稀です。地方には、財政悪化の観点から、自らの給与を削減している知事や市長は多数いるのです。たとえば、二〇〇八年四月に就任した熊本県の蒲島知事は、月額給与を一〇〇万円下げて、二四万円しかもらっていません
今後、公務員から民間への大量の人口移動を行ううえで、公務員の雇用保険加入は、法制度を改正して実現するべき
「およそ民間の事業の十中八九までは、政府の関係せぬものはない。だから、世間の人心は、ますますこの風潮に従って政府にすがり、政府を頼み、政府を恐れ、政府にへつらい、少しも独立自尊の勇気を発揮する者がない」(福澤諭吉)
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『公務員の人材流動化がこの国を劇的に変える』東洋経済新報社 山中俊之・著
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◆目次◆
はじめに
第1章 急所1・人材流動化は、社会を動かす「二酸化マンガン」
第2章 急所2・民間の進駐軍が役所に入って改革に大鉈を振るう
第3章 急所3・増税の前にすべき――公務員の民間への大転進計画
第4章 急所4・自立する民間にもチャンス到来!
第5章 急所5・官僚と労組へは「北風と太陽」で
おわりに
謝辞
参考文献
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