【伝説のバイブルがついに邦訳】
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本日の一冊は、「サーバントリーダーシップ」の提唱者であるロバート・K・グリーンリーフによるリーダーシップ論の大著。
サーバントリーダーシップという概念は、そもそも言葉自体、「仕える者」と「導く者」の組み合わせであるため、一見相反する概念ですが、そこにこそリーダーシップの要諦がある、というのが本書の主張です。
まずは自らが身を捧げ、メンバーに奉仕すること。そして仕事を通して組織自体が社会に奉仕する存在となり、さらなる高みへと引き上げられること。
そんな理想的なリーダーシップのあり方が、本書には描かれています。
監訳者の金井壽宏さんの言葉を引用すると、「喜んでついてくるフォロワーがいなければ、その場にリーダーシップは存在しない」わけですから、その出発点が「サーバント」であることは、的を射ています。
では、われわれはいかにして「サーバント」たり得るのか。リーダーとして心掛けるべきことは、組織を作る際に気をつけるべきことは何なのか。
本書には、まさにその考察が書かれています。
本書には、理想的なリーダーシップの答えは書かれていません。時にはキリストのエピソードを、時にはロバート・フロストの詩を、時には著者と経営者との討論を引きながら、われわれにリーダーとしてのあり方を問いかけてくるだけなのです。
しかしながら、元をただせば、リーダーシップとは、経営者がどうありたいか、社会にどうやって貢献したいかを考えることにほかなりません。
そういう意味で、本書は、経営者が一日をかけて読むべき価値がある、と言っていいのかもしれません。
論文や講演を寄せ集めた本であり、時折冗長になったりもしますが、随所に気づきのある内容です。
自分のリーダーとしてのあり方を考えるきっかけとして、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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<以下、スティーヴン・R・コヴィーによる前書き>
信頼関係の薄い社風は、管理が極端に厳しくて建前だけに頼る上に、守りの姿勢に入っており、冷笑的で、内部競争が激しいことが特徴だ。それでは人に権限を与えて能力を高めている<組織>に比べて、スピードや質、イノベーションのどれをとってもかなうまい
良心によって、われわれは身を捧げるに足る大義の一部になろうという気にさせられる
◆ガンジーが説いた「われわれを破滅させる七つのもの」
・労働なき富 ・良心なき快楽 ・人格なき学識 ・道徳なきビジネス
・人間性なき科学 ・献身なき信仰 ・理念なき政治
<以下、本文>
ときにはこう問うことが大事である。「今考えていることを口にするのは、沈黙の状態よりも本当にいいことだろうか」
家族が家族であるためには、誰も拒絶されてはならないのだ
キリストのリーダーシップを疑う民衆に連れてこられた女は、キリストの前に投げ出され、民衆はこう叫ぶ。「こういう女は石で打ち殺せと、モーゼは律法の中で命じています。あなたはどうお考えになりますか」(中略)ほかの方法をとることもできたはずだ。思いやりは拷問よりもすばらしいことだと語って理論を戦わせれば、民衆もさぞかし喜んだだろう。論理的な議論もできたに違いない。(中略)キリストはそうした方法を選ばなかった。その状況のただ中で、一歩下がって緊張の糸を切り、創造的な洞察のために気づきの扉を開いたのだ。そして、すばらしい洞察が現われたため、この話が二千年も生き生きと語られることになる。「あなたたちの中で罪を犯したことのないものが、まずこの女に石を投げなさい」
ピラミッドの頂点に立つただひとりの責任者になるということは、まともとは言えないし、堕落に陥りやすい。どんな人も自分ひとりでは完璧でいられない。まわりの同僚に助けられたり、間違いを直してもらったりすることが必要だ
組織にとって本当に正当化されることはただひとつ、組織内の人々の資質が、組織に属していない場合よりも優れたものになることだ
つまり、企業は奉仕する組織になる――サービスを提供する者と受ける者の双方に奉仕する組織になるのである
古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ(芭蕉)
並外れた奉仕をする組織には目的とコンセプトが必要不可欠です
ある生き方が最も効率的に働くには、条件があるだろう。それは、深い意味での個人のあり方――個人を形作る見た目の違いといったものではなく、もっと掘り下げた意味での個人のあり方が社会と調和していなければならない。そうした生き方が一貫性をもたらし、明らかにばらばらの傾向へと人を導き、目的を与える
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『サーバントリーダーシップ』英治出版 ロバート・K・グリーンリーフ・著
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◆目次◆
はじめに
第1章 リーダーとしてのサーバント
第2章 サーバントとしての組織
第3章 サーバントとしてのトラスティ
第4章 企業におけるサーバント・リーダーシップ
第5章 教育におけるサーバント・リーダーシップ
第6章 財団におけるサーバント・リーダーシップ
第7章 教会におけるサーバント・リーダーシップ
第8章 サーバント・リーダー
第9章 官僚主義社会におけるサーバントとしての責任
第10章 アメリカと世界のリーダーシップ
第11章 心の旅
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