【名作コピーから売れるヒントをつかむ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532194490
本日の一冊は、ベストセラー『名作コピー読本』の著者であり、自身、40年にわたり広告界で活躍する鈴木康之さんが、久々に放つコピー本。
※参考:『名作コピー読本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000J7NHWW/
著者による名作コピーの案内と、そこに秘められた力の源泉/売れるロジックの分析、そして書き方の学習法が、このコンパクトな一冊に詰め込まれています。
人にモノを売る上で、コピーがどれほど重要かはあえて説きませんが、著者が気に入っているという以下の文章を読めば、その本質がわかると思います。
————————-以下引用—————————
フランスの詩人アンドレ・ブルトンがニューヨークに住んでいたとき、いつも通る街角に黒メガネの物乞いがいて、首に下げた札には「私は目が見えません」と書いてありました。
彼の前には施し用のアルミのお椀が置いてあるのですが、通行人はみんな素通り、お椀にコインはいつもほとんど入っていません。
ある日、ブルトンはその下げ札の言葉を変えてみたらどうか、と話しかけました。物乞いは「旦那のご随意に」。
ブルトンは新しい言葉を書きました。
それからというもの、お椀にコインの雨が降りそそぎ、通行人たちは同情の言葉をかけていくようになりました。物乞いにもコインの音や優しい声が聞こえます。
数日後、物乞いは「旦那、なんと書いてくださったのですか」。
下げ札にはこう書いてあったそうです。
「春はまもなくやってきます。でも、私はそれを見ることができません」
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素晴らしい文章だと思いますが、これを読んで、ただ感心しているだけでは、売れるコピーは書けません。
問題はなぜ人々がこの話に共感し、さらにお金まで払ったのか。
ここを考えながら読むことで、人を動かす言葉の本質が見えてくるわけです。
以前にも、ジョン・ケープルズの『ザ・コピーライティング』や、『人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方』を紹介しましたが、本書これらのマスメディア版、といった印象です。
※参考:『ザ・コピーライティング』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478004536/
※参考:『人が集まる!行列ができる!講座、イベントの作り方』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062139065/
ゲリラマーケティング的には使えない本ですが、大衆の心をつかむためのヒントが書かれています。マーケティングに携わる方は、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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文章はまず第一に、読む人のためのもの。そして読んでもらって、目的を果たしてはじめてやっとあなたのためのものになるのです。その順番がだいじです
人は「安い」と「違う」に弱い
焼き肉・しゃぶしゃぶ 食べ放題999円(60分/男性+200円)<中略>金銭的なおトク情報にはこうした説明の言葉を忘れてはい
けません
人は健康な時に、そうじゃない自分を想像するのが、なんて苦手なんだろう。ヒルデモアたまプラーザ・ビレッジIII)
メガネは、涙を流せません。だから、クリアリング。これまでの洗浄と違います。メガネの新しい点検・整備。眼に入ったホコリは、涙が流してくれます。しかし、メガネはそれができません。汚れてもホコリが入っても、そしてネジがゆるんでもそのままです。ときどき総点検をしてあげましょう(金鳳堂)
もったいない酒。友がいい酒をくれた。心遣いが、もったいない。飾っておくのは、もったいない。封を切るのは、もったいない。ひとりで飲むのは、もったいない。こんなにいい夜が、もったいない。こんな気分が、もったいない。もったいない、もったいないと言いつつ、瓶(ボトル)はいつしか空になる(サントリーローヤル)
日本酒の旨さなどそのもの自体を言葉でどう書いたところで表現できないのです。製造原理を説明し、できた旨味をいくら形容詞を書
き重ねたところで無理です。言葉を超える旨さだからです。にもかかわらず、もったいぶった修辞に頼ろうとするコピーがよくありますが、無駄です。直接的に描写しようとすればするほど、モノの核心に届かず、歯がゆくなるだけのこと
ころんだら、起きればよい。鬼塚喜八郎「失敗の履歴書」はじめてのサラリーマン生活は戦後3年でつまずいた。私利私欲の経営者に愛想を尽かしたからだった。そしてある日、「もし神に祈るならば、健全な身体に健全な精神があれかしと祈るべきだ」という言葉を聞いた。スポーツは健全なる心身を育成していく最良の方法だと知った。戦後の混乱期のその時、すさんだ青少年たちを早く立ち直らせるためにはスポーツが役立つに違いない、そしてその普及こそが自分の務めだと感じた。(この後、事業発展の軌跡、スポーツマン精神の5か条が入る)そして、ここに新たな条項をひとつ、加えたい。(第6条)スポーツマンは、ころんだら、起きればよい。失敗しても成功するまでやればよい
聞き手が「それはいい話だ。ぜひ読者に聞かせたい」という衝動に駆られる話を入手するのが広告制作の取材
700度の火を持って、私は人とすれちがっている。たばこを持つ手は、子供の顔の高さだった。(JT)
いい文章の古典的なルールに一節一義があります。一節には二つのことを書き込むな、一つの意味で満たせ、二つのことを書きたいのなら二つの節に分けて書け、というルールです
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『名作コピーに学ぶ読ませる文章の書き方』日本経済新聞出版社 鈴木康之・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532194490
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◆目次◆
はじめに 文章への入口
第一部 話の中身
第二部 表現の方法
第三部 話の見つけ方
第四部 発想の方法
第五部 基本は説明力
第六部 勉強の方法
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