【商売で勝つための価格決定理論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478007519
本日の一冊は、ベストセラー『スタバではグランデを買え!』の著者、吉本佳生さんによる待望の続編。
※参考:『スタバではグランデを買え!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478002290/
前作は正直言って、多少退屈なところがありましたが、今回の本は名著『ヤバい経済学』同様、インセンティブとビジネス、社会の問題に切り込んでおり、なかなか刺激的な内容となっています。
※参考:『ヤバい経済学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313788/
クルマの値段が長期的に下がる理由、高級レストランの格安ランチが美味しい理由、お金を持っている高齢者に対して企業がシニア割引を適用する理由…。
それぞれの商品の価格決定のロジックを知るだけでも、十分ビジネスセンスが磨かれます。
ちなみにタイトルとなっている『クルマは家電量販店で買え!』というのは、オートバックスとヤマダ電機のことで、事実、オートバックスはクルマの売上を伸ばしているようです。
業界の枠がなくなり、競争が激化する今日では、こういった事態も発生しますが、過酷な競争に勝つには、見えないところで優位性を発揮することが必要不可欠。
本書で示された考え方は、まさに見えない競争優位を作るうえで、重要な考え方だと思います。
ビジネスセンスを養うために、また考える癖をつけるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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世間の多くの人は、「軽乗用車は自動車税などが安いから、小型乗用車に比べて格段にお得だ」と考えます。しかし、「軽乗用車の自動車税などが安いことで、競合するコンパクトカーは本体価格をかなり安くせざるをえないから、コンパクトカーの価格はかなりお得だ」と考えることも大切なのです
取引コストが存在しないときには、一物一価の原則が成立するのですが、現実の商品の取引(売買)では何らかの取引コストがかかることがふつうです。そのため、同じ商品が異なる価格で売られる現象があちこちでみられることになります
ほぼ同じ機能のプリンターであれば、「プリンター本体の価格が安いほど、インク代が高くなる」といった傾向があります。これは価格差別の代表的な方法のひとつです
海外に行く飛行機のチケット(航空券)が驚くほど安く買えることがありますが、その背景には、空席があるままで飛行機を飛ばすぐらいなら、1枚1万円でもいいからチケットを売り、少しでも収入を増やしたほうがいいという航空会社側の事情があります
日本全体ではクルマが売れない状況なのに、オートバックスの自動車販売は大幅に伸びており、ヤマダ電機も自動車販売ビジネスをさらに拡大しそうな感じです
客がかなり得をするランチが店にもきちんと利益をもたらすのは、ランチタイムには客が効率よく来店してくれることが大きな理由
レストランやタクシーに限らず、あるときは客が多すぎて混雑し、あるときは客がいなくて暇になるようなサービスを提供する側は、「稼働率」に応じた価格(料金)設定ができるかどうかが、利益を大きく左右します
高齢者のほうが「高くても買う客」のように思えますから、高齢者にこそ高い価格を設定したくなります(中略)現実にはシニア割引を導入するサービス業が多く、たいていのサービス業ではそのほうが合理的なのです
裁定が通貨制度を破綻させたことは、過去に何度もある
一度陥った低価格競争から企業が抜け出すことはとてもむずかしい
食についての「消費者教育」として一番大切なのは、ブランドなどの表示に頼らなくても、味がわかる消費者をたくさん育てること
taspoと高いタバコ税の組み合わせは、犯罪組織を潤す
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『クルマは家電量販店で買え!』ダイヤモンド社 吉本佳生・著
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◆目次◆
はじめに クルマ・学歴・環境の価格は高すぎる?
第1章 クルマとプリンターとPB商品、価格の決まり方はどうちがうのか?
第2章 高級レストランの格安ランチが、十分に美味しいのはなぜか?
第3章 パチンコや金取引で必ず儲ける方法は、ときに本当に存在する?
第4章 ライバル企業が、互いに不幸になる競争を止められないのはなぜか?
第5章 大学の授業料は、これからも上昇を続けるのだろうか?
第6章 地球温暖化対策に、高すぎる価格がつけられようとしている?
おわりに 本書の題材は金融と深く関係している
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