2008年7月12日

『古典に学ぶ経営術三十六計』船橋晴雄・著

【古典に学ぶ経営の術とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863100183

本日の一冊は、一橋大学大学院国際企業戦略研究科客員教授の船橋晴雄さんが、雑誌「ウェッジ」に連載していたものを加筆修正して改編したもの。

経営者に必要な要素を、秘術、武術、芸術、幻術、仁術の5つに分け、それぞれに当てはまる古典の教えを、計36にまとめています。

世阿弥の『風姿花伝』や、性子の『人鏡論』、良寛の『戒語』、宮本武蔵の『五輪書』など、そうそうたる古典が並び、そこから経営に役立つ教訓が紐解かれています。

経営者として、移ろいやすいお客様の心をどうつかむのか、肥大化する自尊心とどう付き合うのか、お金とどう付き合うのか…。

自らの心をコントロールする方法や、人心を掌握する方法、そして言葉を上手に使いこなす秘訣など、およそリーダーに必要なポイントはすべて押さえています。

ベースが古典ということで、古語も頻出しますが、著者の解説は極めて平易で読みやすいと思います。

読み応えはまあまあですが、経営者の教訓として、また古典への入り口として、手軽な一冊だと思います。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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強調されているのは、花というものが人の心の中にあるということ
である。人が面白い、珍しいと感じることが花なのだ。そして、こ
の人の心というものは、移ろいやすく、あきっぽく、時に横暴・理
不尽なものなのである。そのような人の心をつかみ続けていくには、
常に新しさを求めていかなければならないとしている

「虚」に精励邁進すればするほど、給料や社会的地位も上がってく
る、即ち「実」を引っぱってくるのである。ここに人間社会のひと
つの妙味がある。「よろず浮世の中ものとも思わで月日を送る曲者」
こそ、人間社会の達人であり、人を動かすことのできる思想家

茶の湯は喉を潤おし、渇きを癒やすためにするのでなく、何がしか
精神の快楽のためにするブランド消費

主客を酒に酔わせ事を謀るなかれ

政治の基本とは、為政者がその心を明らかにして道を行い、国民の
手本・鏡となることである(徳治)。そうなれば、法度(法律)は
なくても自ら人心も良くなる。これに加え、法度をよく定めて、背
く者を刑罰でこらしめれば、本と末とが正しく行われ、国は繁栄する

最上の商人は儲けた額にかかわらず必要な額を使い、中位の商人は
儲けに応じて使い、下の商人は儲けもなしに使うものである

得をするといわれる市場で商売をしてはならない。損をするといわ
れる市場で商売すべきである

たった一度の不正が商売のすべてを台無しにする

いかに気に入らぬ者が来ても対面すること。この時に顔色を悟られ
てはならない。いかに野心を持つ者でも親切そうに応対してやれば、
思い直して帰服することもあるのだ

渋柿を切って甘柿の木を継ぐのは小身な者のすることである。上級
の侍、特に国持大名にあっては渋柿は渋柿として使える所が多いと
いうことを弁えなければならない

メタファーはこれを上手に使えば、伝えたいという内容を相手の心
の最も奥深くまで浸透させることができる

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『古典に学ぶ経営術三十六計』船橋晴雄・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4863100183
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◆目次◆

はじめに
第一部 ビジネスのあり方を考える十二計
第二部 リーダーシップのあり方を考える十二計
第三部 ミドルのあり方を考える十二計

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