2008年5月25日

『ゆるし』ダライ・ラマ、アイリーン・R・ボリス=ダンチュンスタン・著

【ゆるすということ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872579437

最近、仕事をしていて思うのは、経営者が自分の心をコントロールできなければ組織はうまくいかない、ということ。

ほめることや叱ることの重要性は他の本で語りつくされていますが、愛することやゆるすことに関する本は、まだまだビジネスの世界では少ないように感じています。

本日ご紹介する一冊は、そのものズバリがビジネス書ではないですが、マネジャーにとって重要な「ゆるし」をテーマにした本です。

全米でベストセラーになっている本ですが、注目は中国・チベット問題で話題となっているダライ・ラマが序文を寄せているということ。

第3章もダライ・ラマに取材して書かれた内容のようで、自分自身を解放する「ゆるし」の技術が詳しく書かれています。

翻訳書にありがちな話で、全体的にやや冗長なのが気になるところですが、それを除けば、悪くない内容だと思います。

父親に性的虐待を受けた女性がどうやってそのトラウマを乗り越えたのか、隣人に撃たれた父が裏社会とつながりのある人物だと知った男性が、どうやって父をゆるすにいたったのか、そのプロセスは要注目です。

現在、心の悩みを抱えている方、身近な人をゆるせない方は、ぜひ読んでみてください。

きっと心豊かに生きるためのヒントが見つかるはずです。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いかに正当な理由があろうと、他人を傷つけてしまえばあなたは心
の平穏を失い、自分自身をさらにつらく厳しい状況に追い込んでしまう

人間はお互いに支え合い、ともに生きていかなければなりません。
それゆえ、この社会には人々の間の秩序と和を保つための「規範」
が必要なのです

理性を失わずにつらい状況を分析できるようになれば、私たちは怒
りや憎しみを手放すことができます

自分に危害を加えたその相手を超越するためにゆるすのです

「自分の心の利益」になるように正義を考えるべきだ

ゆるすためには、すべてを思い出さなければなりません。自分自身
にも隠し続けているあらゆるものを意識に呼び込む必要があるのです

「被害者は簡単に道徳心を失い、加害者に変わってしまう」(ある
インド生まれの若者)

「目には目を」――これは、私たちの誰もが抱いてしまう衝動と言
えるでしょう。しかし、ガンジーはこの言葉についてこう述べてい
ます。「『目には目を』では、世界を盲目にするだけだ」

喪失を癒すためには、まずその喪失による痛みを感じなければなりません

必要なのは、自らの怒りと恐れにはたらきかけることです

「加害者はこれまで積み重ねてきたカルマと罪の結果、罪深い行動
をとってしまっています。そういう意味で言えば、彼らの行動はそ
の痛みの深さを示す証拠と言えるでしょう」(ダライ・ラマ)

真の思いやりとは「他人の痛みや苦しみを感じるだけでなく、その
ような苦悩の克服を手助けする決意を固めること」

自分の怒りを見つめれば、その下に他の感情(罪悪感や恥辱感など)
が隠れていることがわかります

「相手に与え、その相手が『人間』として完全になるお手伝いをす
る――このような態度によって癒しが促され、ゆるしが実現する

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『ゆるし』ダライ・ラマ、アイリーン・R・ボリス=ダンチュンスタン・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872579437
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◆目次◆

序文 「ゆるし」とは自分自身を解放する手段です ダライ・ラマ法王
はじめに なぜ、ゆるすのか?
第一章 「ゆるし」っていったい何?
第二章 「復讐」は何をもたらすのか?
第三章 ゆるしの力を高める/ダライ・ラマから学ぶ
第四章 怒りにはたらきかける/性的虐待を受けた女性の物語
第五章 「なんてかわいそうな私」/殺された父を憎んだ男性の物語
第六章 罪悪感はどう手放せばよいのか?
第七章 暴力の悪循環を食い止めるために
第八章 正義が癒しをもたらす
第九章 愛さえあれば、未来を癒せる/ジョン・プラマーの物語
第十章 今、あなた自身にできること 

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