2008年2月10日

『やる気!攻略本』金井壽宏・著

【やる気を自由自在にコントロール?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903908046

本日の一冊は、MITで博士号を取得後、神戸大学大学院経営学研
究科教授、マネジメントやリーダーシップを専門とする著者が、
「やる気」を攻略するためのエッセンスを紹介した一冊。

学者の著者にしては随分と思い切ったカジュアルな装丁、文体で、
一瞬驚きましたが、内容はモチベーション研究の入門書。

十段階におよぶ「やる気」のサイクル、マクレガーの考察、著者が
実業家や管理職にインタビューを行って得た成果…。

ベースはいたって真面目ですが、専門用語もさほど登場せず、かな
りカジュアルに読み進めることができます。

ただ、その分食い足りないことも事実。当初期待していた「毎日読
みたい!! やる気! 語録300」も、著者の既刊本からの引用が多く、
あまり心に訴えてくるものがありません。

語録というからには、古今東西の哲学者や経営者の名言をもっと散
りばめ、情緒ある内容で締めてほしかったと思います。

とはいえ、マネジメントとしてどうやって周囲のやる気を高めるか、
という話は参考になります。

個人がこれだけ読んでやる気が出る、という本ではありませんが、
やる気のメカニズムを知りたいマネジメントは読んでみてもいいか
もしれません。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆典型的な「やる気」の循環
1.大きな目的を抱いたことで現状と目的のズレを感じる
2.現状と希望のズレを感知して、緊張が発生してしまう
3.緊張が発生したことに対して「不快である」と感じる
4.不快が発生したことに対して「低減したい」と感じる
5.不快の低減のために動いているうちに実現可能な目的を見いだす
6.見いだした目的に対して、それを達成したいと感じる
7.見いだして達成したいと感じた目的が、かなえられる
8.目的がかなえられ、満足したり、リラックスしたりする
9.満足やリラックスしたら、活動が止まり、ゆるむことがある
10.活動が止まったら、より大きな目的を抱くようになる

「管理にたずさわる人が、どのような『自分の方針』を持つかによ
って、職場の構成員のはたらきかたや、職場のありかたが、変化し
ていくものである」(マクレガー)

不安というものは、それがあるからこそ、希望や活力が生まれる

前頭葉のある部位に損傷が起きると、いっさいの不安がなくなるか
わりに、いっさいの、「のちのちのこと」について、考えることが
できなくなる

個人の方針が立派であるかどうかよりも重要なのは、「自分ががん
ばる方針の本音を把握していること」

「十人十色の個性に注目して、ひとりひとりが、自分を鼓舞できる
人間になるように支援をおこなう」ということができていたのだと
したら、かなり、成果をあげることができる

「自分には、どんなふうに、ワケのわからない感情の傾向があるの
だろうか」と、自分自身の傾向を、具体的に把握することのほうが、
実際に自分を動かすものになることが多い

「人生が短いのではなく、その多くを浪費しているのだ」(『リー
ダーシップの旅』)

「高いところへは、他人によって運ばれてはならない」(『ツァラ
トゥストラはこう言った』)

「自分で切り拓いているようでも、かなり大勢のひとのお世話にな
っているもの」(『働くひとのためのキャリア・デザイン』)

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『やる気!攻略本』金井壽宏・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903908046
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◆目次◆

まえがき
プロローグ 「やる気!」のメカニズムを知る
1.自分の「やる気!」
2.周りの「やる気!」
3.「やる気!」語録
エピローグ 自分史を語ろう
あとがき

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