2008年1月3日

『シンガポール航空で見つけた「思いやり」という世界で一番のサービス』

【シンガポール航空サービスの秘密】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491741

本日の一冊は、世界最高水準のサービスと評される超優良エアライン、シンガポール航空のサービスの秘密を、元客室乗務員の著者が明らかにした一冊。

シンガポール航空が従業員に伝えているサービスマインドから、4カ月にも及ぶという研修の内容、採用基準、知られざる内部のルールまで、じつに詳細に書かれています。

なぜシンガポール航空では「客室乗務員の顔を見る回数」が他社と
違うのか、なぜ「Noと言わないサービス」が実現可能なのか、な
ぜ「乗りたいエアライン」調査で毎回上位に食い込みつつも、創業
以来黒字を出し続けられているのか…。

蓋を開けてみれば、その秘密はシンプルなものですが、それを支え
る規律、教育、マネジメントには舌を巻くばかり。

吹き出物が出ただけで搭乗が許されない、おしぼりを渡すトングも、
”配るとき”と”回収するとき”で色違いのものを使うなど、「そ
こまでやるか」と驚く話がいくつもありますが、それもすべて最高
のサービスを実現するためのルール。

「神は細部に宿る」と言いますが、まさにシンガポール航空のサー
ビスにもそれが当てはまるようです。

経営者、サービス業に携わる方は、必読の一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「他人を思いやること」それ自体を、自分自身の”喜び”や”誇り”
にできるように、心の中を切り替えていくこと

”客室乗務員がお客さまと頻繁に目を合わす工夫”も、シンガポー
ル航空では巧妙に仕掛けられています(中略)ヘッドセットを配り、
それからメニューを配る。回収するときも、必ず別々にクルーがお
客さま一人ひとりから受け取ります(中略)一見、とても面倒な作
業のようですが、この”ひと手間”で何が変わるかといったら、お
客さまのクルーの距離が確実に近づいていきます

代案を提示したり、よりスペシャルな「おもてなし」を考えて差し
あげることで、「結果的に得した」と思っていただけるようなサー
ビスを提供することは、いくらでも考えられます。それならば相手
だって、「否定された」という気持ちになることはありません

「Noを言わない」ということは、お客さまに恥をかかせないとい
うことだけでなく、クルーにとっても、つねに「もっと、お客さま
に何かして差しあげられることはないか」と考えさせる意識向上に
つながっています

ウソのようですが、「吹き出物ができていますね。ファンデーショ
ンでごまかすとケバヤが似合わなくなるから、しばらくは地上職の
仕事をしてください!」といったことさえあるのが、SQの厳しいルール

あくまで統一感を徹底するためなのですが、そこには本人の希望や、
個性の尊重などありません。実際に「シミを消す」とか「差し歯を
抜く」ということが条件で入社した女性もいました

安全性を考慮して、飛行機に乗るクルーの数は客数ごとにミニマム
数とマックス数が一般的には定まっています。そこで多くの航空会
社は、”最小限で済むように”とミニマムに合わせるのですが、S
Qの場合は、いつでもマックスに対応する乗務員が搭乗します

”おしぼり”などは、設定された温度どおり、つねに一定(中略)
さらにおしぼりには、軽く芳香剤をかけます(中略)おしぼりを渡
すトングも、”配るとき”と”回収するとき”で色違いのものを使
っています

SQの教育訓練費は総賃金の十二パーセント

採用されるのはほとんどが新卒の学生か、私のような異業種からの転職者

心をオープンにして、相手の気持ちがすぐに受信できるアンテナを
立てているのが、”近づく”ということ

まず身近な人こそ大切にする

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『シンガポール航空で見つけた「思いやり」という世界で一番のサービス』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901491741
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◆目次◆

はじめに
第1章 世界が認めるシンガポール航空の「おもてなし」
第2章 「思いやり」というサービスマインド
第3章 「最高のサービスができる人」を育てる
    シンガポール航空の教育方法
第4章 誰もができる「プレミアム・サービス」の原則
第5章 社員に「思いやり」のある会社に、
    サービスマインドは育つ

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