2008年1月20日

『おとなの叱り方』和田アキ子・著

【和田アキ子が、叱れない社会を一刀両断】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569696252

本日の一冊は、『あの鐘を鳴らすのはあなた』で日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞、芸能生活40年の大ベテランとなった、和田アキ子さんが、叱り方の作法と心構えを説いた注目作。

「怖い先輩」と思われながらも数多くの芸人に慕われ、自らも現役のタレントとして輝き続ける著者が、世のだらしない親や上司を一刀両断する、じつに痛快な一冊。

子どもを「自由にのびのび」させようとしてスポイルしている親、プライバシー重視で人との触れ合いが減った現代社会、賞味期限の表示がなければ食べられるかどうかの判断もできない現代人…。

よくよく考えてみればおかしな世の中の現象にメスを入れ、その根
底にある心構えや考え方を正しています。

叱り方のノウハウも学びが多く、著者が後輩やマネジャーをどうや
って教育しているか、動機づけているかその実際を学ぶことができます。

しかしながら、本書の本当の価値は、叱り方のノウハウにあるので
はありません。

和田アキ子さんが、芸能界に入ってから現在の地位に上りつめるま
で、どんな師と出会い、どんな心構えで生きてきたのか、その心温
まるストーリーが読めることこそが、本書の醍醐味でしょう。

人生において、お客様でいたければ、甘やかされたままでもいい。
でも、もし自分が本当に一流になろうとするなら、自分を律する気
持ち、人を叱る気持ちがなければいけないと思います。

土井も経営者になってから叱ってくれる人が減りましたが、そうい
う意味でも、本書はいい気づきとなりました。

経営者、マネジャーは必読。これから自分を高めようとするビジネ
スパーソンにも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人を殴れば、殴った手も痛い。同じように、だれかを叱れば、叱る
側にも痛みがあるんです。そんな痛みを引き受けることのできるお
となが少なくなった気がします

亡くなった作詞家の阿久悠先生が、以前何かの雑誌に書いてらした
んです。「友だちのような……」という言葉を生み出してしまった
のは、作詞家として失敗だったと

「自由にのびのび」なんて言っているけれど、それは結局、甘やか
しているだけ。私には、しつけを放棄しているだらしない親の言い
訳にしか思えません。嫌われるのが怖くて、子どもに理解のあるふ
り、”いい人”のふり。だから子どもにナメられる。叱るべきとき
に叱ってこなかったから、叱られ慣れていない子を突然叱って逆ギ
レされる

勝負に勝ったとき、昇進したときにほめてあげることは必要です。
でも、人は、ほめられるばかりじゃ大きくなれない

楽屋も個室、家庭では子ども部屋も個室。プライバシー重視という
ことなんでしょうけれど、いまの世の中「プライバシー、プライバ
シー」と騒ぎすぎるんじゃないでしょうか

「叱る」のは、究極の愛情表現ですよ。だからこそ、みんな叱られ
たがっている

べつに約束の時間に遅れて相手を待たせたわけじゃなくても、自分
より先に来ていた人には「お待たせしました」と挨拶するのも礼儀

「一流の物を身につけよう」と思うと、それに見合う人間になろう
と自分自身を高める努力ができる

どんな高級店や有名店だって、お金さえ払えばだれでも食事はでき
ます。だけど、ほんとうは、一〇万円のメシが食えるのは、一〇万
円ぶんの価値のある人間だけだと思う。いくらお金をもっていたっ
て、箸の使い方も知らない、食べ方の汚いような人間に、いいもの
を食べる資格なんかありません

親のエゴで子どもを育てちゃいけないということです。まるで着せ
替え人形みたいに、子どもにいろいろな洋服を着せて喜んでいるの
もバカだなぁって思います

「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる」(『身
につけよう!江戸しぐさ』)

”らしさ”を大切にするのが、プロというもの

「叱る」には愛が、「怒る」には憎しみがある

「叱る」ときの言葉は、相手に堂々と直接言えること

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『おとなの叱り方』和田アキ子・著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569696252
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◆目次◆

はじめに
プロローグ だれも叱らないなら、私が叱る!
第1章 その人のために叱ってあげたい大切なこと
第2章 「親になる資格がない」おとなを叱る
第3章 「自分らしさ」を広げる生き方
第4章 好かれる叱り方、かわいがられる叱られ方
エピローグ 自分で自分を叱れる人でありたい

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