2007年12月18日

『iPhoneショック』

【スティーブ・ジョブズの野望とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822246361

本日の一冊は、アメリカで爆発的な人気を誇り、「iPod」を上回るペースで売れているという驚異のケータイ端末、「iPhone」のすべてに迫った一冊。

執筆は、これまでアップルの動向を追い続けているというITジャーナリストの林信行さんです。

優れたインターフェースで、日本では発売前から話題となっている「iPhone」ですが、この登場によってこれまでのケータイ業界や通信業界にどんなリスクがあるのか、「iPhone」がもたらすチャンスとは何なのか、さまざまなサービスを比較・検討しているジャーナリストならではの視点でまとめられています。

本書によると、アップルが独自に用意した料金体系により、「iPhone」
と契約するケータイキャリアは収益モデルに大きな問題を抱えそうです。

また、「iPhone」が、「パソコンでは当たり前の無料インターネッ
トや無料コンテンツという世界をケータイ業界に持ち込もうとして
いる」ということで、既存の業者は大きなダメージを受けそうです。

このように、前半は「iPhone」脅威論が目立ちますが、後半からは、
なぜアップルが優れた製品を作り続けられるのか、どうやってブラ
ンドを維持しているのか、というお話に変わります。

今後のビジネスの動向をうらなう上でも、モノ作り、マーケティン
グのヒントを学ぶ上でも、意味のある一冊だと思います。

「iPhone」の日本発売前に、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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iPhoneと契約を結んだことでAT&Tはパンドラの箱を開けてしま
った。今後、iPhoneの成功が拡大すればするほど、ケータイキャリ
アとしての収益モデルは大きく制約されることになる

上納金は、米国市場だけの話ではない。iPhoneを販売する以上、ア
ップルはどこの市場でも同じ戦略を取っていくつもりだ

iPhoneは、パソコンでは当たり前の無料インターネットや無料コン
テンツという世界をケータイ業界に持ち込もうとしている

今やユーザー獲得が至上命題のキャリアにとって、iPhoneは毒があ
るとわかっていても食さねばならないリンゴなのだ

iPhoneは、特定の条件を満たしていないと通話さえもできない。そ
の条件とは、「パソコンを持っている」ということだ

始まりは二〇〇一年一月。スティーブ・ジョブズCEOは「デジタ
ルライフスタイル」時代の到来を宣言し、「デジタルハブ」という
構想を発表する。そしてこの「デジタルハブ」こそが、iPhoneに至
るグランドデザインとなっているのだ

iPodは、アップル以外の企業を巻き込んでサービスや製品を展開し
始め、iPodの一大生態系を築き上げた。こうなると、ほかのメーカ
ーはiPodの強さを一朝一夕には切り崩せなくなる

多くのメーカーでは、外装の装飾部分だけをデザイナーが担当する
ことが多い。しかも、製品の中身ができ上がってからだ。(中略)
一方、アップルは最初からデザイナーが重要な役割を持つ

最初はあえて便利さよりも普及を選ぶ

iPhoneでは、ユーザーの操作に対して、とにかくすぐに反応を返す
ことを重視した設計になっている

◆ジョブズの五分ルール
店頭でユーザーの関心を五分以上惹きつけられたら、その製品は成功する

厳戒体制で秘密を守るのは、ジョブズ氏のショーマンシップ溢れる
講演の中で初めて、大々的に製品を発表するためである。これが、
アップルの常套手段だ

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『iPhoneショック』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822246361
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┃▼目次▼
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┃ はじめに
┃ 第1部 iPhoneの衝撃
┃ 第1章 iPhoneでケータイビジネスが変わる
┃ 第2章 非常識なケータイ
┃ 第2部 アップルはいかにiPhoneを生み出したか
┃ 第3章 グランドデザイン
┃ 第4章 マイナスのデザイン
┃ 第5章 極上なユーザー体験の設計
┃ 第6章 アップルのブランド戦略
┃ 第7章 ビジネスモデルの創造
┃ 第3部 日本メーカーはなぜiPhoneを作れなかったのか
┃ 第8章 ケータイメーカーが直面する問題
┃ 第9章 魅力的な製品を作る3つの視点
┃ 参考文献
┃ おわりに
┃ 
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