2007年12月17日

『売れる商品デザインの法則』

【ビジネスもデザインの時代】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820744682

みなさんは、「黄金比」や「白銀比」という言葉を聞いたことがありますか?

おそらく賢明なBBM読者のみなさんのこと、これぐらいならきっとご存知かと思います。

でも、「三分割法」や「ベビーフェイス効果」「キャラクターライン」「グーテンベルク・ダイヤグラム」についてはどうでしょうか?そしてそれが商品開発やマーケティングで成功するためのヒントをもたらしてくれるとしたら?

正直、土井はこれまで、こういった言葉を聞いたことはあっても、
その意味や意義まで詳しくは知りませんでした。

でも、本書を読んで、これはビジネスパーソン全員が知っておくべ
き教養だと思うに至りました。それぐらい本書はビジネスにおける
デザインの本質を突いています。

著者は、シャープの総合デザイン本部で活躍後、デザインコンサル
タントとして独立した人物で、現在は桑沢デザイン研究所の非常勤
講師なども務めているようです。

最近では、小阪裕司さんが推進している「感性工学」はじめ、ビジ
ネスの世界に「感性」を持ち込むアプローチが注目されていますが、
本書は、その基礎知識を学ぶ上で、じつに有意義な本だと思います。

デザインや人間工学、認知心理学のエッセンスがほど良く織り込ま
れ、かつ素人にも読みやすい。

まさに経営者、マーケターにはピッタリのデザイン入門書。もちろ
ん編集者は必読です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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優れたデザインは人の心を動かします。何も市場やユーザーばかり
ではありません。美しいものを作れば、そのメーカーの社員の心も
動きます

今でも日本人は「ハレ(非日常)」の場での過剰装飾が大好き

キングジムは、ラベルライター「テプラ」シリーズに、今まで切り
捨てられてきた80%の要望の中のたった1つの点字機能を搭載する
ことで、数%の顧客に100%の満足を与え、業界からも注目を集めました

人は形に関してとても保守的で、特に毎日自宅やオフィスで目にす
る商品の場合、ほとんどの方が馴染みのある形を選びます

立体の基本は四角の掃引体である「立方体」と「直方体」。丸の掃
引体であり四角の回転体でもある「円柱」。丸の回転体の「球」。
三角の掃引体である「三角柱」と回転体である「円錐」

◆造形の要素:形・色・素材・質感・光・運動

◆黄金長方形
縦と横の長さの比率が黄金比(1:1.618…)になっている長方形

自然と共に生きてきた人類は、無機物の結晶よりも、成長していく
有機物の自己相似的な形に愛着を覚えるのです。そして、そのよう
な対数らせんを内包している黄金長方形に、人は根源的な美しさを
感じるようなのです

画面の上下左右をそれぞれ三分割して四個の交点を作り、画面内の
主要な要素をその四個の交点のいずれかに置くと、適度な動きを伴
ったバランスのよい作品ができあがる

同じ形が同じ間隔で七回以上繰り返されると、人は連続性を感じる

日本の非対称は、すべてばらばらの非対称ではなく、各要素は左右
対称にしておいて、最後に配置するときに少し位置をずらして非対
称にするという手法を使っている

モノ本来の存在感は、色や形よりも、そのモノ自体の素材感と質感
に左右されることが多くなります。特に「高級感」は素材感・質感
の領分です

人は長い間の経験によって様々なパターン(メンタルモデル)を頭
の中に作りあげており、製品を操作する際もそのパターンをあては
めようとするため、製品を使いやすくするためには、操作方法や結
果の現れ方を、そのパターンに近づけたほうがよい

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『売れる商品デザインの法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820744682
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┃▼目次▼
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┃ 序章 商品デザインの「こころ」
┃ 第1部 ベーシック・ルールズ-基本をはずなざい
┃ 第1章 形と色の法則
┃ 第2章 秩序の法則
┃ 第3章 素材とディテールの法則
┃ 第4章 使いやすさの法則 人間工学
┃ 第5章 使いやすさの法則 認知科学
┃ 第2部 プラクティカル・ルールズ-「思い」を「形」にする
┃ 第6章 商品企画の法則
┃ 第7章 デザイン開発の法則
┃ 第3部 ブランドと流行-ブランドは恋愛に似ている
┃ 第8章 ロゴマークとブランド
┃ 第9章 デザインと流行 
┃ 
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