2007年7月1日

『人を動かす火事場の鉄則』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062134543

本日の一冊は、アメリカ同時多発テロの際に、消火活動の指揮や事後処理に携わった現・FDNY(ニューヨーク市消防局)の大隊長、ジョン・サルカが、リーダーシップの本質を語った一冊。

監修者であり、ベストセラー『加速成功』の著者、道幸武久さんが1章ごとに解説を挟み込むという、翻訳書としては珍しい試みがなされています。

※参考:『加速成功』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763195956

さすが、人命がかかわる厳しい現場で部下を統率している人物だけに、そのリーダー論には、身が引き締まる思いがします。

「真っ先に飛び込み、最後まで残れ」というFDNYの掟や、「行方不明の消防士の捜索は最優先事項」と言い切る著者の言葉は、最近不祥事を起こし、部下を切り捨てた無責任な経営者とは一線を画しています。

リーダーへのアドバイスとしてもかなり有用で、なかでも「リーダーが果たすべき3つの責務」「能力と一貫性」「優先順位の伝え方」などは、今すぐ実践したい、優れた知恵だと思います。

残念なのは、監修者の解説が長すぎて、せっかくの感情の流れが断絶してしまう点。一度サルカの文章を通して読んだ後、解説を読むといいかもしれません。

自社の文化を変えたいと思う経営者、部下との絆を強めたいと願う上司、これからリーダーを目指す方に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「真っ先に飛び込み、最後まで残れ」これはFDNY(The Fire
Department of the City of New York ニューヨーク市消防局)の
リーダーシップの掟だ

◆リーダーが果たすべき3つの責務
1.現実を直視すること
2.部下を財産とみなすこと
3.組織のあらゆるレベルでリーダーを育てること

従業員という十分に活用しきれていない財産を最大限に生かすため
に必要なのは、ステーキをおごることではなく、彼らに自由に仕事
をさせることだ

部下を手助けするというのは、具体的に言えば、部下をもっとも得
意なことができる部署に配置したり、相性の悪い仕事はさせないよ
うにしたりするということだ

「組織の使命や価値を明確にする」ということは、現実を直視する
ことだが、それは同時に、できるだけ多くの情報源からできるだけ
多くの役立ちそうな情報を集め、現在の使命・価値とともに、まだ
発生していない使命と価値に対応することでもある

行方不明の消防士の捜索は最優先事項である。これこそが隊員同士
の絆であり仲間意識のもととなっている。私たちは仲間を助けるた
めなら何でもするし、彼らが私たちのために同じことをしてくれる
こともわかっている

部下の信頼を得るには、リーダーは、常日頃から2つのことを示す
必要がある。その2つのこととは能力と一貫性である

FDNYにはこんな警句がある。「綿密な調査をしなければ凡庸につながる」

あなたはリーダーなのだから、使命を果たすためには嫌われ者にな
る覚悟も必要だ。自分は愛されたいのか、それとも尊敬されたいの
か、自問自答してみよう。愛されたいなら、犬を飼えばいい

目的を告げるとき、部下に優先順位を伝えることも大切だ。たとえ
ばFDNYでの優先順位は「人命、消火、財産」の順だが、これが
きちんと伝わっていれば、決断を実行する際の目的が消火であって
も、人命を危険にさらすような方法をとることはできないことが自
然と伝わる

去るときは全員一緒だ。そうでなければ誰も去らない

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『人を動かす火事場の鉄則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062134543
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┃▼目次▼
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┃ 監修者まえがき 火事場のリーダーシップ
┃ 第1章 指揮官はあなただ
┃ 第2章 リーダーの役割(道幸)
┃ 第3章 リーダーの3つの責務
┃ 第4章 理想のリーダー像(道幸)
┃ 第5章 部下をどう動かすか
┃ 第6章 成功する組織、失敗する組織(道幸)
┃ 第7章 決断と実行
┃ 第8章 判断こそリーダーの責務(道幸)
┃ 第9章 部下を育てる
┃ 第10章 部下に任せる(道幸)
┃ 監修者あとがき
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