2007年5月16日

『できる若者は3年で辞める!』

【】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883383601

本日の一冊は、青山監査法人を経て自らの公認会計士事務所を設立、現在は経営コンサルタントの育成にも取り組んでいる著者が、独自の人材論および経営論を説いた一冊です。

著者によると、かつて「日本の製造業を支えてきた『勤勉な労働者』はいなくなった」。

代わって、カッコいい仕事にあこがれを持ち、管理職よりは専門職を志向する若者が増えています。

ところが、現実的に企業が存続するには、管理職を目指す人材が必要。このギャップに現在のマネジメントの問題がある、と著者は指摘しています。

では、このギャップを埋めるために企業はどのような指導・人材育成をしていけばいいか。また反対の立場から、社員はどのような人材になるべきか、具体的に示したのが本書の特徴です。

後半の内容は、どちらかと言うとベーシックなマネジメント論ですが、若者の意識や人事の問題を説いた前半の分析はかなり読み応えがあります。

企業の寿命が短くなり、人材の流動化が当たり前となった現在、個人は何をキャリア目標とするのか、マネジメントはどうやって若者を指導していけばいいのか。

示唆に富んだ一冊だと思います。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「なぜ働くのか」、「生きがい」「働きがい」とは何かという問い
に十分に答えられなければ、社員にとっての給与とは、「苦痛の対
価」にすぎなくなります。行き着くところ、企業は「人づくりの場」
なのです

きれいなカッコいい仕事にはあこがれを持ちますが、キツイ仕事、
見てくれの悪い仕事は避けたいと多くの若者が思っています。一言
で言えば、日本の製造業を支えてきた「勤勉な労働者」はいなくなった

「専門職志向」が強まることにより、「管理職」を目指す若者が少
なくなってしまった(中略)管理職になりたいと思わなければ、な
おさら、企業に対する忠誠心はなくなります

社員の自立を支援できる企業には、優秀な社員が集まってきます

「体」や「技」のレベルが僅差の場合、勝負は、プロフェッショナ
ルとしての精神力・意識・考え方、すなわち「心」のレベルで決する

ホワイトカラーとして最終的に生き残れるのは、派遣社員で代用で
きない、「マネジメント能力」や「リーダーシップ」を持ついわゆ
る「エース」領域の人間

子どもの頃に植えつけられた「学ぶ=よいこと」という価値観は、
結果として、リーダーとなることを阻害しますから、どこかのタイ
ミングで人を育てることの大切さを教える必要があります

正しい戦略を立てられる次期経営者(ネクスト・リーダー)を育て
ることと、実践力のある人材、すなわち、自らリーダーとして行動
できる人を育てることが重要

一旦下した意思決定に対しても、本当によかったのか問いかけ続け
ること、「自己否定」をすることが重要です

成長し続けるには、自分自身の完成度を否定し続けることが必要

人の上に立つ管理者は、必ず「仕事が楽しい人」でなくてはなりま
せん。部下に仕事の本当の意義を熱く語る「経営理念の伝道者」の
役割を負うのです

人生の意義とは、「人への役立ち」

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『できる若者は3年で辞める!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883383601
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┃▼目次▼
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┃ 第1章 3年で辞める若者を引きとめてはいけないワケ
┃ 第2章 「3年以内転職」に効く処方箋は?
┃     ~「ネクスト・リーダー」になる方法
┃ 第3章 予算も目標も、達成できなきゃ粗大ゴミ
┃ 第4章 会社の成長に欠かせない条件とは
┃ 第5章 「成果主義」にソッポを向く社員
┃ 第6章 組織目標と個人目標
┃ 第7章 定性目標と定量目標
┃ 第8章 モチベーション(やる気)って何だろう
┃ 第9章 マインド・イノベーション(意識改革)のすすめ
┃ 第10章 真のリーダーになる日
┃ エピローグ
┃ わたくし論 亀は萬年
┃ 
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