http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478501734
本日の一冊は、元コカ・コーラ社の伝説のマーケターであり、数多
くの広告キャンペーンを成功に導いた、セルジオ・ジーマンによる
マーケティング論です。
2000年に出た本で、既に絶版となっていますが、内容はじつに読み
応えがあります。
悪名高き「ニューコーク」を市場に導入したマーケターということ
で嫌われているのかもしれませんが、マーケターならぜひ一度は読
むべき名著です。
マーケティング活動の根幹にあるべき「売ること」へのこだわりや、
マーケターがなすべき仕事の本質、競合対策などは、単なるテクニ
ック論を超えて、普遍の価値を持っていると思います。
先日ご紹介したオグルヴィの本同様、名言もちらほら。
「魚のいる場所で釣りをしろ」「自分の子供を自分で食うほうが、
競合他社に食われてしまうよりはましだ」などは、マーケターなら
ずとも心しておきたい教訓です。
事実をありのままに受け止め、常に挑戦することを余儀なくされる
マーケターらしく、語り口はシニカルで挑戦的。
戦略的な仕事や生き方を追求する方は、ぜひ読んでみてください。
ちなみに本書は現在、中古しかないので、欲しい方はアマゾンに急
いでください。あと15冊くらいでした。
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■ 本日の赤ペンチェック
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科学であるマーケティングは測定されなければならない。結果に対
し責任を持たなければならない。そして何よりも重要なことは、理
解されなければならないということである
ポジショニングというのはいずれの方向にも作用するものだ。自分
の商品もポジショニングできるが、同時に競合企業の商品もポジシ
ョニングできるからである
自分の作った広告に自分がほれこんでしまうことと、自分が「感激」
しなかったからうまくいかないと考えることは、どちらも簡単だが、
同じように危険でもある
マーケティングは売上げを伸ばすために行うものであると考えるな
ら、それに使う資金は経費ではなく、投資となるべきなのだ
プロのチームは、思いつきでは戦わない――科学的に計画し、それ
を実行するのだ。プロは何がうまくいき、何がうまくいかなかった
か反省するのだ
ブランドを創造する唯一の理由は、消費者に特定の自社商品の特質
と特性を識別してもらうことだ
同時に実行すべきなのだ。決して順番にではない。その結果、自社
のブランドが共食いになってもかまわない。自分の子供を自分で食
うほうが、競合他社に食われてしまうよりはましだ
比較マーケティングにおいては、競合商品を名指しすることは重要
ではない。重要なことは、判断の基準を明確にし、自社商品がその
基準を満たしている、あるいは基準より優れていることを明確に示
すことである。消費者がその基準を認めると、自ら比較するようになる
「魚のいる場所で釣りをしろ」(最も可能性の高い市場にまず集中する
こと)
創造的な新しいアイディアが、あなたをいままで到達したことのな
い場所に連れて行ってくれることがわかれば、新しいアイディアを
恐れることはなく、逆にそれを楽しむことができる。そして戦略に
忠実であれば、大胆に歩き出して未来を先取りすることも可能なのだ
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『そんなマーケティングならやめてしまえ!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478501734
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■目次■
第1部 マーケティングは、ミステリーなんかじゃない
第2部 いかにしてより多く販売し、儲けるか
第3部 誰が実行するのか
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