2006年7月14日

『ヒット企業のデザイン戦略』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234900

先日、IDEOのトム・ケリーによる『イノベーションの達人!』
を紹介したと思ったら、またイノベーションやデザインに関する本
が出ました。

※参考:『イノベーションの達人!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152087366

こちらは、シンシナティ大学デザイン学部教授、カーネギーメロン
大学教授、カーネギーメロン大学テッパー経営大学院助教授の3人
による共著で、いくつかの企業のイノベーション事例を、担当者の
考え方とともに伝えた一冊。

事例の豊富さは評価できますが、分析が表面的というのが正直な感想。

ところどころに商品開発やマーケティングのヒントとなる言葉は見
つかりますが、具体的にどうすればいいのか? という疑問には答
えきれていません。

もちろん、各企業がイノベーションにどう取り組んでいるのか、各
担当者がどう考えているのか、を知る意味では有用な一冊です。

商品開発に携わる人、もしくはそういった人をマネジメントしてい
る人に適した一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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企業の成長とデザインの良し悪しは無関係ではない

「アイデアにタブーはない」
(フォードのトラック部門責任者、カブールの言葉)

全ての人を引き上げる確実な方法はないが、コアとなる人材を見極
めれば、グループやプロジェクトチームを動かすことができる

◆ワールプールのチャック・ジョーンズの目標 ※一部紹介
1.時間、場所、資金などの経営資源をイノベーションの探求に使
  えるようにしておく
3.どのアイデアが企業の事業に適合するか厳しく判断する
4.誰もが成功に貢献するチャンスを持てる環境を創り出す

実用的なイノベーションを実現する原動力となるのは、社会の変化、
経済状態、技術進歩の三つの要素だ(SET要因)

最大の成長の可能性は自分たちがすでに持っているスキル、つまり、
有機的成長という内部からの成長にある

イノベーティブでエンパワーされた個人と、グローバルな商取引の
相互作用はいまだかつてないほど重要性を増している

商品開発の初期段階での課題は、問題解決ではなく問題の特定であ
り、機会を発見し理解することだ

コモディティから商品、サービス、経験へと進化してきた次の段階
は何か。我々の見解では、「ファンタジー」だ。人々は自分の置か
れている環境での経験だけでなく、より深いレベルの願望に自分の
環境や思いを投影させたいと思っている

形状と機能のコンセプトが最良のものとなるのは、メーカーと消費
者の双方の期待が統合されたとき

本物のイノベーションは、個人や集団としての人間とそのニーズを
理解することから生まれる(IDEO、デビッド・ケリーの言葉)

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『ヒット企業のデザイン戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234900
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■目次■

イノベーションは誰が起こす?
新時代のイノベーター
残された唯一の道
イノベーションをデザインする
トレンドをデザインする
ファンタジーをデザインする
ステークホルダーをデザインする
B2B製品をデザインする
意思決定をデザインする
商品機会をデザインする
知的戦略をデザインする
チームをデザインする
イノベーション・パワー

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