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本日の一冊は、地下経済の調査などで知られる気鋭のエコノミスト、
門倉貴史さんによる、注目のインド経済分析です。
11億人の巨大市場を抱え、ビジネス的にも投機的にも注目を浴びるイン
ド。
その成長のポテンシャルはどれほどなのか、どんなビジネスが有望
なのか、そして気になる株式市場はどうなっているのか。
豊富なデータを駆使し、ビジネスチャンスやリスクに関する冷静な
分析がなされています。
ご存じない方にとっては驚きですが、インドは何とあのハリウッド
を凌ぐ、超映画大国。
ハリウッドのおよそ倍近くの映画を毎年作っている実績があり、か
つ製作コストが安いことから、アニメのアウトソーシング先として
も注目されているようです。
今でこそ日本は手をこまねいて見ていますが、そのうち、インドな
しで日本国内のビジネスも成り立たない、という日が来るかもしれませ
ん。
今後のインドの動向を探る上でも、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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高成長の牽引役は、消費や投資といった国内需要である。製造業の
生産増加も輸出向けではなく、国内向けの消費財・資本財が中心に
なっている
在インド日本大使館の資料によると、2006年1月現在の日本企業の
インドへの進出数は328社に上る。03年8月の231社と比べて42%の
大幅増となっている
現在、インドには英語を話せる人が3000万人以上存在し、アジア諸
国の中ではインド人の英語能力が最も高いといわれる。TOEFL受験
者のスコア平均値を見ると、2003年~04年はインドの受験者が572点
とアジアの中でトップに位置する
宝飾用の金消費が最も多い国はインド
インド人の従業員は賃金水準へのこだわりが強く、周りの人に比べ
て自分の働きに見合った正当な賃金が支払われているかを非常に気にす
る
民主主義が徹底しているインドでは、州単位で上がってくるGDP
が成果を誇示するために過大評価されることはないが、税の支払い
を逃れるために企業が売り上げを過少に申告したり、経費を過大に
申告する傾向が強い。このためGDP統計が実態に比べて過小評価
されている可能性が高いといわれる
インド政府とマッキンゼーの共同調査によると、2004年にメディカ
ル・ツーリズムでインドを訪れた外国人の数は前年比15%増の15万
人に上ったという
日本人のアジア文化への関心が強まる中、今後は韓流だけでなく、
中華圏の「華流」やインドの「印流」が、ポスト韓流を求める人々
の心をつかむとみられる
一般にあまり知られていないが、インドは世界有数の映画大国
ルピーは経済の実力から見れば29.2%も割安
最近のインド株の上昇テンポはかなり急だが、これは企業業績の好
調を反映したもので、ファンダメンタルズから乖離していない
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『インド経済の実力』
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■目次■
第1章 インド経済の現状と成長力
第2章 インド産業の大転換
第3章 インドの政治と財政・金融政策
第4章 インドの株価はどこまで上昇するか
第5章 インド経済の将来
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