http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806123986
本日の一冊は、デジタル・ネットワークを駆使したクチコミマーケティングで知られる、ドゥ・ハウスの取締役による新刊です。
小売店の店頭において、お客が商品を認識し、カゴに入れるまでの時間は、ほんのわずか。
本書では、調査データをもとに、この数秒間の購買心理を明らかにし、どうやって売ればよいのか、具体的な提案を試みています。
興味深いのは、リサーチ結果やデータによって、これまで常識と思われていた「思い込み」が、覆されたり、マーケティング上の新たなヒントが発見できる点。
「ブランドを決めて買い物をしているのはたった8%程度(食品)」
「非計画購買率が最も高いのは『レトルト』食品」
などというデータを眺めているだけでも参考になりますが、これをヒントに自分の業界にふさわしいマーケティングのあり方を考えれば、さらに大きな成果が望めると思います。
マーケターや、小売りに携わる方は、ぜひ読んでみてください。
———————-
■ 本日の赤ペンチェック
———————-
多くのお客さまは、ブランドを決めて買い物に来ているわけではなく、売り場では価格で決めているわけでもない
買い物に同行している家族とのコミュニケーションは、購買決定に大きくかかわってきます
インスタントコーヒーは、使いやすさ、便利さをアピールしたときにはまったく売れず、それを出された夫が満足そうに飲んでいる姿を広告に使った途端、売れました
ブランドの指名買いも少ないけれど、いわゆる「衝動買い」もとても少ない
◆お菓子、清涼飲料水、即席麺、タレ、チーズ、チューハイ・リキ
ュール類、漬物、デザート、ドレッシング、ビール・発泡酒、冷凍
食品、レトルトの計12食品に関する調査
・計画購買率が最も高いもの:ビール・発泡酒
・非計画購買率が最も高いもの:レトルト
・計画購買の中でも特定ブランドまで決めているもの:タレ
「外したくない」を「試したい」へ変換する”お試し”が、買う気を誘う購入ドライバー
商品自体が気分をよくするというだけでなく、商品を店頭で購入するときの気分をよくするということも、大切な販促ポイント
◆チューハイ・リキュール類を買う決め手
決め手は、お気に入りの「ブランド」ではなく、「フレーバー」
お菓子だったら、子どもがカゴに勝手に入れるのを容認する格好で、「子どものためだけ」という領域があったのに対して、デザートは「大人のためだけ」という領域があります
タレの購買動機は、おいしくしたいという動機と使い切りたいという動機の間を揺れています
漬物:食べるシーンを想起することが販促のポイント
<思い込み>お客さまは、欲しい商品が置いてある棚に立ち寄る
<事実>お客さまは、自分が動いた先にある棚に立ち寄る
————————————————
『買う気にさせる3秒ルール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806123986
————————————————
■目次■
第1章 「思い込み」を捨て、「事実」に目を向けよう
第2章 「3秒間動機」でお客さまが買った本当の理由が分かる
第3章 お客さまが買った“決め手”はこれ!だから、こう売ろう
第4章 追跡レポート 店内での買い物プロセスを追ってみよう
━━━━━━━━━━━━━━━
■ご意見、お問い合わせは、
→ eliesbook@yahoo.co.jp
■マガジン登録、変更、解除
→http://eliesbook.co.jp/bbm/
━━━━━━━━━━━━━━━
この書評に関連度が高い書評
お知らせはまだありません。