2006年1月12日

『戦略集中講義』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234781

本日の一冊は、世界的ベストセラー『人生を変える80対20の法則』の著者であり、有名な経営コンサルタント、リチャード・コッチによる注目の新刊です。

※参考:『人生を変える80対20の法則』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484981068

『戦略集中講義』とタイトルにあるように、戦略とは何か、どうすればそれを創り出せるのかを、ドラッカーやヘンダーソン、ポーターなどの言葉を引用しながら説明しています。

著者らしい軽快な文章で、ともすれば堅苦しい議論になりがちな戦略論を、じつにわかりやすく紹介しています。

戦略に関して、これまでにどんな議論が展開されてきたのか、戦略家たちは何を語ったのか、そして成功した企業はどんな戦略を採用したのか…。

著者自ら、「ただちに購入するのがスマートではないだろうか?」と語っているように、わかりやすく、極めて良質なテキストです。

戦略に意味がいまだに良くわからない、乱発される「戦略」という言葉に辟易している、という方は、ぜひ読んでみてください。

おもしろいほど、戦略の本質が理解できるはずです。
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■ 本日の赤ペンチェック
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長期にわたる存続を望む企業は、すべての競合他社に対して、差別化による独自の優位性を維持しなければならない。その差別化こそが、長期的なビジネス戦略の核心である(ブルース・ヘンダーソン)

◆競争優位について、理解しておくべきこと
1.真の違いを求めるなら、他とはまったく異なる行動をとるべきだ
2.対象領域を限定するなら、競争優位を築くことが可能になる

優れた企業戦略とは、受け入れ可能なコストで競合相手に何歩も先んずることを許してくれる戦略のこと
(大前研一)

スマートな戦略家は、会社の強みが何かを十分に考えるまで、市場に存在する機会には目を向けない

コア・コンピタンスを、単なるスキルとか学習の積み重ねだとする定義は狭すぎる。本当に卓越した能力とは、ある企業の他はどこも持っていない資源のことだ

コア・コンピタンスが現に存在していても、無価値になる可能性はある。コア・コンピタンスは経営トップがその存在を見抜き、組織全体で活用した場合に限って価値あるものとなる

◆競争優位をあらわすミクロ経済学の公式
利益=[(価格)-(コスト)] ×(販売量)

戦略の価値の80%は、80対20の法則から導き出すことができる。顧客の評判が高くて会社収益の80%をもたらす、20%のドル箱事業を見つけられれば、企業の戦略はシンプルになる

最も収益性の高い20%の顧客に尽くして、常に満足させることに、会社全体が熱意を持たねばならない

存在するものだけを見て”なぜそうなのか?”と考える人もいる。だが、私は存在しないものを夢見て”なぜそうではないのか?”と考える(ジョージ・バーナード・ショー)

◆成功する戦略展開:4つのステップ
1.価値創造の洞察を持つ
2.企業の本社が価値を付加する方法を明確化する
3.中核事業に集中する
4.再編成するか分割するかを決定する
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『戦略集中講義』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901234781
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■目次■
日本語版 監訳者まえがき
はじめに
LESSON 1. 戦略とは何か?
LESSON 2. 戦略不要論
LESSON 3. 競争優位の源泉
LESSON 4. 競争優位の確立
LESSON 5. スマート、シンプル、セレクティブ
LESSON 6. 企業戦略のおもしろさ
LESSON 7. ビッグ・ピクチャー
LESSON 8. 戦略家の20の習慣
付録
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