http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820118188
本日の一冊は、アメリカにおける社会組織心理学の第一人者、J・リチャード・ハックマンによる一冊です。
著者が20年間かけて明らかにした、チームが機能するための5条件を示したもので、リーダーがどんなチームを作るべきか、そしてそれをどう支援すべきかの指針ともなっています。
著者によると、「チーム・リーダーシップとは、チームをデキる行動単位に育てる条件を整えること」であり、とどのつまりは、本書で示した「デキるチーム」の3つの基準を満たすこと。
1.顧客に受け入れられるプロダクトを提供すること
2.チームとしての能力を伸ばすこと
3.メンバーに充足感を与える経験をすること
では、いったいどうすれば、このようなチームを実現できるのか。本書はまさに、その点に答えています。
いきなり「難題」と称する長ったらしい事例が出てきたり、重要なポイントが文中で流されていたり、若干編集上、残念な点がありますが、内容的にはじつに参考になります。
とくに、チーム力を高めるための構造や制度、コーチング体制などは、これまでにあまり語られていない視点だと思います。
本書を読めば、なぜ優秀な選手ばかり集めているチームが勝てないのか、個々の選手が非力でも優勝してしまうチームがあるのかが、論理的に理解できます。
マネジャー、経営者、そして経営コンサルタントは必読の一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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マネジャーの仕事とは、顧客の代理人を務めることではない。真のクライアントが用いる基準をメンバーが認識してクリアできるように、チームを全力で支援することなのである
◆デキるチームに求められる3つの基準
1.顧客に受け入れられるプロダクトを提供すること
2.チームとしての能力を伸ばすこと
3.メンバーに充足感を与える経験をすること
◆チームが「3つの基準」をクリアするための5条件
1.チームが名ばかりのチームではなく、「真のチームであること」
2.担当する仕事について「揺るぎない方針を持つこと」
3.チーム力が高まる構造を持つこと
4.チーム力が高まる制度づくり
5.適時、適切なコーチング体制
◆「真のチーム」の必須条件
1.課せられた「仕事」が明確なこと
2.チームの内と外を隔てる「境界」も明確なこと
3.仕事のやり方を管理する「権限」が具体的に決められていること
4.メンバーの顔ぶれがあまり変わらない「安定性」があること
◆デキるチームが活躍する舞台作りのカギ
1.チームが取り組む仕事の設計
2.チームの行動をガイドする規範
3.メンバー構成
人が高い内的モチベーションを持つのは、
1.自分が取り組んでいるのは意義のある仕事だとみなし、
2.その結果に個人的な責任を感じ、
3.どんな結果だったのかがはっきりわかる
という3条件が揃うとき
◆チームをサポートする効果が特に広い制度
1.報奨制度
2.情報システム
3.教育研修制度
◆業務プロセスとプロセスロス/プロセスゲイン
1.努力
プロセスロス :チームのメンバーの「集団内の手抜き、タダ乗り」
プロセスゲイン:チームとその仕事に対するコミットメントの共有
2.業務の進め方
プロセスロス :深く考えずにルーティンを繰り返す惰性
プロセスゲイン:革新的かつ適切な仕事の手順を編み出す能力
3.知識とスキル
プロセスロス :メンバーの貢献を軽視
プロセスゲイン:知識の共有とメンバーのスキル向上
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『ハーバードで学ぶ「デキるチーム」5つの条件』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820118188
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■目次■
原著まえがき
訳者まえがき
■第1部 チームとは何か
第1章 難題
■第2部 デキるチームの基本条件
第2章 真のチーム
第3章 揺るぎない方針
第4章 チーム力が高まる構造
第5章 チーム力が高まる制度
第6章 適時、適切なコーチング体制
■第3部 チャンス
第7章 チームリーダーの鉄則
第8章 チームの見方を変えよう
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