2005年9月25日

『ファシリテーター完全教本』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312280

本日の一冊は、アメリカを代表するファシリテーションの権威、ロジャー・シュワーツによる、ロングセラーの待望の邦訳です。

原書は1994年に第1版が出されており、刊行以来10年を超えるロングセラー。ファシリテーションの世界では、知る人ぞ知る名著です。

著者自らが、フォーチュン500企業をはじめ、連邦政府、州政府などに指導した経験をもとに、ファシリテーションの理論とルール、具体的な会話のテクニックなどをまとめています。

ファシリテーションやコーチング関連の本で、対話例が出てくるのはよくあるパターンですが、本書では、表面的な対話に加え、ファシリテーターが持っている感情を併記することで、対話例に深みを出しています。

本書を読んで思うのは、ファシリテーターも人間であり、その感情を克服することなしには成果を上げられないということ。

本書には、その感情を克服するためのさまざまなルール・方策も書かれています。

マネジャーやファシリテーター、プロフェッショナルコーチなど、人の育成や調整、マネジメントに携わる方すべてに役立つ一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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ファシリテーターの第1の責務は、グループ・プロセスとグループ・ストラクチャーを改善し、その能力を高めるのを手助けすること

わたしたちはそれぞれ独自の建前理論をもっているが、困惑や心理的な圧迫を感じる状況に置かれるとほとんど全員が自分の言動の指針としてたった1つの実行理論を前面に押し立てることになる

ファシリテーターは自分の意図していなかった結果が出ると、ますますコントロールを強めて勝つことだけを目指すようになる。ネガティブな感情を抑えようとして、さらに自分の一方的コントロール・モデルにこだわることになる

◆相互学習モデル指針となる基本価値
1.確かな情報
2.情報にもとづいた自由な選択
3.内面的コミットメント
4.共感

◆相互学習モデルの基本想定
1.わたしは情報をもっているが、ほかの人たちだって情報をもっている
2.わたしたちは、ほかの人の見ていないものを見ている可能性がある
3.相違は学びの機会である
4.人は与えられた状況下で誠実に行動しようとする

確かめもしないのに、人は自分の想定を真実だと考えてしまう。自分の知らないことについて推察しているにもかかわらず、自分の知っていることをもとにして結論を出してしまう

グループが効率的に問題解決をするには、メンバーたちの関心を共有することからはじめればよい。残念ながら、多くのグループは態度や解決策について話し合うことからスタートする

有能なファシリテーターであるためには、言動を正確に分析する必要がある

介入するときは、誰に対して介入すべきなのかを決める必要がある。その原則は、介入に対応できるデータをもっている人に介入する、である

◆ファシリテーターが言葉を使う際の注意点 ※一部のみ紹介
・客観的に技術する言葉を使う
・固有名詞を使う
・能動態を使う
・平等に見ていることが伝わる言葉を使う
・命令形を避ける
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『ファシリテーター完全教本』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532312280
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■目次■
第1章 <プロフェッショナル・ファシリテーター>アプローチと原則
第2章 絶対に成功するファシリテーション理論
第3章 高能力グループのための9つの基礎ルール
第4章 グループ能力を高める言動と低める言動の分析
第5章 介入の判断
第6章 介入の仕方
第7章 基礎ルールを使って介入する
第8章 感情への対処法
謝辞
訳者あとがき
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