本日の一冊は、かつてセブン-イレブン・ジャパンで加盟店指導やスーパーバイザー教育、新店立ち上げなどを経験し、現在はコンサルタントとして活躍中の著者が、セブン-イレブンのタンピンカンリと仕入れの心構え、ノウハウをまとめた一冊です。
土井も前職でエディターからバイヤーになる時は、基本を学ぶべく、いくつかセブン-イレブンに関する本を読みましたが、この本は正真正銘、内部で経験した人が書いた本です。
それだけに、仕入れから在庫管理、陳列まで、セブン-イレブンが実践しているあらゆる点に話が及んでいます。
装丁やフォントの大きさからは予想もできませんが、さすがに商業界さんが作っているだけあって、内容は細かく、実践的です。現場で店長をやっている人が読んでも参考になるはずです。
「タンピンカンリ」って何? という人はもちろん、セブン-イレブンのビジネスを詳しく学びたい人、小売業に携わる人には、見逃せない一冊だと思います。
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■ 本日の赤ペンチェック
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タンピンカンリの真骨頂は、過去の情報の流れから妥当な数量を導くのではなく、根拠をもって異常な数字に挑戦し、それを達成することにある
「マーケティング」「消費者志向」が言われたが、それはメーカー側から出てきた言葉であり戦略であって、消費者に最も近いはずの小売業からのマーケティングは残念ながら存在しなかった(『セブン-イレブン社史より』)
POS導入を境に単品管理が始まったわけではありません。単品管理を続けるために、単品管理をさらに深めていくためにPOSを入れたのです
◆発注にあたり、著者が言われたこと
1.単品で考えること
2.勝手に判断しないこと
3.必ず数字を変える(上げる)こと
アイスの発注ではもう一つ、とても重要な法則を発見しました。それは、「商品は見えなくなると売れなくなる」ということです
◆発注業務を任せて大成功した若いパートの女性
1.とびきり素直(お客さまの意見(データ)に逆らわない)
2.いい意味で調子に乗るタイプ
3.商品を片っ端から食べていた
商品を変えない限り売上げは上がらない
店の関心はコロコロ変わるが、お客さまの関心は一貫して商品に集中している売り手は商品を集団で考えたがるけれども、買い手は商品を単品で評価する
◆過剰在庫を削減するに当たってのヒント
1.「すべての在庫は不良在庫である」と考える
2.バックヤードの位置付けを変えてみる(保管場所→荷物をさばく所)
3.スチール棚を減らす
4.在庫を”時間”に換算する
5.売り場在庫もきちんと数える
6.常に一望できる状態を保つ
7.在庫はお金、在庫は腐ります、在庫はコスト、在庫は「おもり」、
在庫は障害物、在庫は悪
何でも仕入れるのは商人じゃない
・商人に必要な能力
=「より多くの商品を確保する能力」から「売れる商品を選ぶ能力」へ半年に1回、完璧な売場をつくる店より、多少荒っぽくても毎週売場を変えられる店の方が強い
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『商売で大事なことは全部セブン-イレブンで学んだ』
http://tinyurl.com/b9o8o
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■目次■
まえがき
第1章 「売り方」の発明
第2章 その気になれば簡単さ
第3章 誰でも数字を変えられる
第4章 変化、大好き
第5章 お客の「飽き」と戦う
第6章 合言葉は勇気
第7章 誰よりもたくさん売ってみたい
第8章 誰だって1年で賢くなれる
第9章 仲間を「アッ」と言わせたい
第10章 小さく考え、小さく手を打つ
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