本日の一冊は、創業以来46年間連続増収増益で注目を浴びている、伊那食品工業の代表取締役、塚越寛さんによる著書です。
おそらく「かんてんぱぱ」のブランド名でご存知の方も多いのではないでしょうか。
タイトルには『いい会社をつくりましょう。』とあいまいな言葉が謳われていますが、そこが本書の哲学的なところです。
「いい会社」とはそもそも何なのか、会社は何のために存在するのか、経営者の役割とは一体何なのか、深いところで考えさせてくれる一冊です。
土井は数年前から、拝金主義の後はスピリチュアルか、世間的な成功とは次元の違うところで生き方や理念を説いた本が流行る、と主張してきましたが、本書はまさに、ビジネスパーソンとしての行き方を説いています。
土井には、じつは今回の『成功読書術』でも紹介しなかった、自分の原点となる本があります。
※参考:『成功読書術』
http://tinyurl.com/52sdn
本書で説かれている理想郷的な考えは、その本にも通じるものがあります。久しぶりに骨のある経営論を読んだ気がしました。
久々に、自信を持っておすすめできる一冊です。ぜひ読んでみてください。
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■ 本日の赤ペンチェック
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遠くをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す(二宮尊徳)
◆二一世紀のあるべき経営者の心得(一部のみ紹介)
2.変化し得る者だけが生き残れるという自然界の法則は、企業経営にも通じることを知り、すべてにバランスをとりながら常に変革すること
4.人間社会における企業の真の目的は、雇用機会を創ることにより、快適で豊かな社会をつくることであり、成長も利益もそのための手段であることを知ること
8.専門的知識は部下より劣ることはあっても、仕事に対する情熱は誰にも負けぬこと
人間どこで苦労をするのも同じ。目先の利益を案ずるよりも、与えられた職業を天職と思い、とことん努力すべきではないか
人のためとか、会社のためというより、若い時の苦労は結局、自分のためになります(中略)何が自分に一番向くかということは、案外分からないものです
運をつかまえる人は、行動力があって、先見性がある人
先見性のある人になるためには、どうするか。専門分野のほかに幅広い知識をもっていることが、大切です。そして一番大事なことは、人間の社会を、常に、「本来あるべき姿はどうなのか」、「目的は何なのか」という目で、冷静に見定めていること
「運をつかむ」ことのなかでも、良き師や良き友に恵まれることは、大変重要
人件費ははたして、ほかの諸科目と同じような「費用」なのでしょうか。疑問です。人件費は、幸せを求めて働く社員たちの労働への対価であり、この支払いは企業活動の目的そのものです
◆真の老舗の条件
1.無理な成長をしない
2.安いというだけで仕入れ先を変えない
3.人員整理をしない
4.新しくより良い生産方法や材料を常に取りいれていく
5.どうしたらお客様に喜んでいただけるかという思いを、常にもちつづける
本来の姿に戻しつづけること、原点に戻ることが、真の改革
経営とは「知らしめること」(中略)どんなに高い志も、話が下手では伝わりません
お城を支える石垣は、大きな石だけでは築けません
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『いい会社をつくりましょう。』
http://tinyurl.com/9goha
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■目次■
はしがき
プロローグ
第一章 目的と手段
第二章 自然体経営
第三章 開発型企業として、”種まき”を
第四章 モラール経営
第五章 「かんてんぱぱガーデン」に込めたこころ
エピローグ 学ぶ目的
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