本日の一冊は、現在、全国の書店で大ブレイク中!の、サイバーエージェント代表取締役、藤田晋さんによる半生の記録です。
自分の生い立ちから、学生時代に経験したベンチャー企業での経験、インテリジェンスへの就職、そして起業、上場…。自らを引き立ててくれた周囲への感謝や、やむをえない事情で裏切ることになった上司に対する反省の気持ちなどが、飾らない、素直な言葉でつづられています。
赤ペンチェックにはとても向かない本ですが、読んで印象的だったエピソードや言葉をご紹介しましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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(カネボウで働く父は)安定を手に入れることと引き換えに、夢を追いかけることはできなかったのです。私は仕事一筋に命をかける父を誇らしく思う反面、心から共感することができませんでした。
(就職時)今、同じ経営者になってみればわかります。内部の人間に自社の成長性を見限られたようで、その精神的な辛さは計り知れません。(中略)ひと一倍目をかけていた私が、ライバル会社に就職する。今思えば、これが渡辺専務に対する一度目の裏切りだったのかもしれません――。
(インテリジェンス)私は最初から毎日終電ぎりぎりまで働きました。土日も当然のように出社して仕事をしていました。(中略)死ぬほど頑張って会社に貢献しているのは当然だけど、これはすべて自分への先行投資で、後々自分の夢を実現すれば十分投資は回収できる。そんな風に考えていたのです。
(宇野社長に言われたこと)大事なのは金じゃない。本当に大事なのは志を共有できるかどうかなんだ。その辺をよく考えて欲しい
(創業直後)ウェブマネー自体もまだ立ち上げたばかりでそんなに余裕があったわけではありません。高津社長の私たちを応援してくれた優しい気持ちに感謝で胸がいっぱいになりました。
(サイバークリック製作の話)それが堀江さんとの初対面でした。当時の彼は26歳。私は25歳でした。長髪で今よりだいぶ太っていた堀江さんは私が想像していたとおりの「おたく」的雰囲気を持っていました。
(上場直前)「時価総額10兆円を目指します!」(中略)26歳。高すぎる目標設定。しかし、私は若く、怖いものはありませんでした。志は高ければ高いほどいい。
(ネットバブル崩壊)インターネット関連の株価は容赦なく下げ続けます。マスコミは手のひらを返したように、厳しい論調に変わっていきました。
(株保有率が下がっていた時)クレイフィッシュの松島社長の教訓もあって、プライドを傷つけられようが、理不尽なことを言われようが、謙虚に、忍耐強く、何があっても絶対にキレないこと、それを胸に誓っていたのです。
(28歳の時)<「21世紀を代表する会社をつくる」。これからはもう何があっても信念を曲げない>私は、堅くそう決意したのでした。
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簡潔な文章ながら、著者の関係者に対する配慮や、事業にかける熱い情熱が伝わってくる内容です。もちろん、女優・奥菜恵さんとの関係についても書かれています。ノンフィクションとしても楽しめる一冊です。
というわけで、本日の一冊は、
『渋谷ではたらく社長の告白』
http://tinyurl.com/6h2fv
です。これから起業したい方にはもちろん、既に起業した人にも、情熱を吹き込んでくれる、そんな一冊です。
■目次■
プロローグ
一章 裏切り、それでも手放せなかった夢
二章 ゼロからの起業
三章 ネットバブルの波に乗る
四章 バブル崩壊、孤独と彷徨
五章 ランナーズ・ハイ
and more 渋谷ではたらく社長の一日
あとがき
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