本日の一冊は、『日本の経済格差』をはじめ、数々の好著で知られる、橘木俊詔さんによる、日本の億万長者に関する論考です。
※参考:『日本の経済格差』
http://tinyurl.com/8wdwb
年間納税額3000万円以上(年収約1億円以上)の億万長者にアンケート用紙を配布し、得られた有効回答数465とインタビューをもとに、日本の億万長者の横顔を明らかにした、注目の一冊です。
本書によると、日本の億万長者の大半は、医師と企業経営者であり、最近では、医師のなかでも眼科や美容外科の開業医、経営者のなかでもITや健康食品、パチンコなど、従来は注目されていなかった分野での起業家が増えているようです。
億万長者たちの仕事を愛する姿勢や、貯蓄率の高さ、生活習慣など、さまざまな点が垣間見える点も魅力ですが、このあたりは他の本でも指摘されていることです。
むしろ、本書から得られる新たな発見は、「成功のモデルは変わった」ということ、そして「『ブランド』や『大組織』ではなく『個人』の時代に変化した」ということなのではないかと思います。
著名な学者が書いているだけあって、データに基づいた客観的な分析は、じつに読み応えがあります。
最近出たお金持ち研究本の中では、いちおしの一冊です。
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■ 本日のワンポイント赤ペンチェック
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三〇年間同じことをただ勤勉にし続けてきただけというお金持ちが多い。大切なのは継続力
◆日本の億万長者
1.企業創業者 平均資産72億円(今回調査)31.7%
2.開業医 平均資産18億円(今回調査)15.4%
弁護士や会計士は、実はそんなに所得が高い人は、日本ではほとんどいない(高所得者は、本書で書かれている4タイプ)
アンケートに答えた人々の九〇%以上は既婚者であり、同一の配偶者との結婚生活が三〇年以上にも及ぶ人が多数であった
ハイリスク・ハイリターンを愛する人でないと、いつの時代でも経済的成功者になれない
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『日本のお金持ち研究』
http://tinyurl.com/c66dr
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■目次■
序章 「お金持ち」とはどんな人々か
第1章 医療の需要と供給からみた医師
第2章 弁護士という職業
第3章 経営者はお金持ちか
第4章 日本の上流階級
第5章 お金持ちの資産形成
第6章 お金持ちの日常生活
第7章 高額所得者への課税
第8章 結論
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