本日の一冊は、アメリカの経営コンサルタント2人が、ハーレー・ダビッドソンや、WWE、アップル・コンピュータ、リナックスなどの強力なカルトブランドを研究し、顧客を信者化する方法について論じたものです。
著者が指摘しているように、ここで紹介されているカルト企業は、過去に大失敗をしたり、倒産したりと、どん底を経験したにもかかわらず、這い上がってきました。それを支えたのは、まさに信者化した顧客だったのです。
では、このような顧客の信者化は、いかにしてなされるのでしょうか? 本書では、この疑問に対する答えを、「顧客を信者にする7つのルール」としてまとめています。
その7つのルールは、目次にもまとめられていますが、具体的には以下の通り。
第一のルール 人は他人とは違っていたい!
第二のルール 「大胆さ」と「強い意思」を持て!
第三のルール 「ライフスタイル」を売れ!
第四のルール 「伝道師」を生み出せ!
第五のルール クラブを生み出せ!
第六のルール 顧客を選ぶな!
第七のルール ノスタルジアを売れ!ライバルからパワーを引き出せ!
本書では、このルールを、各ブランドが具体的にどう実践していたのか、興味深いエピソードが語られています。
とくに印象に残った教えは、「私たちは、他と桁外れに違うものに心をひかれる」という点。カルトブランドは、この桁外れに違う価値を実現するために、桁外れのリスクをおかしているのです。
もちろん、それだけではありません。彼らは、この桁外れの価値を伝えるために、伝道師を生み出し、クラブを作り出し、信者たちの結束を強固なものにしています。
そして、土井が今年のベストセラーのキーワードの一つとして挙げていた「ノスタルジア」についても語られています。
「感情で消費する時代」の企業のあり方が、書かれた一冊として、ぜひ読んでほしい一冊です。
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■ 本日のワンポイント赤ペンチェック
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◆ブランドを形作る3つの変数
1.デザイン 2.メッセージ 3.センス
私たちは、他と桁外れに違うものに心をひかれる。そして、カルト・ブランドに通じたメーカーは、このような行動に乗じている
企業の大きさ、規模、商品の量はカルト・ブランドとは何の関係もない。必要なのは、あえて異端であり続けられるだけの勇気を胸に、かなり大きなリスクを背負うことである
アップルのテーマは、権威や画一性に対する抵抗だったのです。そして現実には、自己実現と自己強化に焦点を当てていたのです
どの企業でも、顧客を本当に大切にしていることを、彼らに示すことは可能である。つまり、規模に関係なく、常連客を定期的に集めるだけの安上がりな方法を見つけられるのだ
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『カルトになれ!』
http://tinyurl.com/9j2mc
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■目次■
プロローグ カルトの秘密を探る!
第一のルール 人は他人とは違っていたい!
第二のルール 「大胆さ」と「強い意思」を持て!
第三のルール 「ライフスタイル」を売れ!
第四のルール 「伝道師」を生み出せ!
第五のルール クラブを生み出せ!
第六のルール 顧客を選ぶな!
第七のルール ノスタルジアを売れ!ライバルからパワーを引き出せ!
あとがき
訳者あとがき
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