本日の一冊は、20世紀初頭のアメリカで出され、その衝撃的な内容により、問題作となった有名な本です。
日本では、『イエスの広告術』として一度、1984年に翻訳されましたが、この度、改題して再度出版されることになりました。
著者のブルース・バートンは、広告代理店に勤め、国会議員にもなった人物。本書では、イエス・キリストを「ビジネスの天才」「広告の天才」として取り上げ、その言動について詳細に論じています。
若干読みにくいところはあるのですが、内容から得られるものはそれなりに多いと思います。
さっそく、ポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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すぐれたリーダーの条件なのだが、歴史に残るリーダーたちは、いずれも私怨を捨て、些細なことにはこだわらなかった
それは貧しい少年が、辺鄙な田舎で育ち、大工になり、自分の力を自覚し、人にも影響を与え、弟子が集まり、やがて失望され、追われて死ぬ、という物語である。この死がしっかりと、そしてうまく設定されたために、イエスは後世に名を残すことになった
人の誠意を得るには自分から誠意を示すしかない、とイエスは信じ、人の上に立って人を動かす時のこの鉄則を生涯にわたって貫き通した
◆相手にわかる話から始める
漁師を布教者にする際の口説き文句
「私についてきなさい。お前たちを人間をとる漁師にしてあげよう」
◆イエスは良い広告がニュースであることを知っていた
イエスが言ったりしたりすることはまるで予測できなかった
イエスのやることなすこと、すべてがニュースだった
◆説教ではなく奉仕による広告
イエスは説教によってではなく奉仕をすることで広告をした
◆たとえ話で語る
イエスの力の秘密を知りたければ、次の文章がすべてを語っている。「イエスはこれらのことをすべてたとえ話で人々に語り、たとえ話を用いずには何も語らなかった」。たとえ話は物語である。そこには人が登場する。イエスは伝えたいことを物語にして伝えようとした
◆イエスの文章は徹底的に圧縮されている
イエスは前置きをしなかった。最初の文章で相手の関心を呼び起こし、続く文章で本筋に入り、すぐに結論へもっていった
◆イエスの言葉は実に単純だった
イエスが口にした言葉で子供にわからないものはないと言ってもいい。描かれる光景も日常茶飯のものばかりである
◆誠実に語る
イエスの言葉が人を変えたのは、人々がその言葉を真実だと感じたから
◆繰り返し伝える
イエスは繰り返すことの大切さを知っていた
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いかがでしょうか。確かに、ビジネスに生かせるヒントが満載です。読みにくさの点で星ひとつマイナスですが、なかなか興味深い一冊でした。
というわけで、本日の一冊は、
『誰も知らない男』
http://tinyurl.com/4ma4b
です。約200ページと、そんなに厚くはないので、ぜひ読んでみてください。
■目次■
はじめに
第一章 人の上に立つ者
第二章 体力派イエス
第三章 社交家イエス
第四章 彼の方法
第五章 彼の広告
第六章 現代ビジネスの創始者
第七章 主、イエス
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