2005年3月11日

『組織力を高める』

http://tinyurl.com/5urkp

本日の一冊は、2004年のはじめに出された西浦裕二『経営の構想力』、
遠藤功『現場力を鍛える』の続編にあたる一冊です。

※参考:『経営の構想力』
http://tinyurl.com/5nhux

※参考:『現場力を鍛える』
http://tinyurl.com/3jawb

著者は、フェニックス・キャピタルの執行役員を務める古田興司さんと、ローランド・ベルガー プリンシパルの平井孝志さん。

シリーズすべてに言えることですが、現場感覚に根ざした、地に足のついた議論が展開されており、非常に好感が持てます。

とくに、マネジャーの心構えに関する部分は有用ですので、今日はそこを中心に、ポイントをピックアップしてみます。
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■ 本日の赤ペンチェック
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組織力=遂行能力×戦略能力

◆組織力を低下させる要因
1.情報の減衰
2.力の減衰
3.フィードバックループの減衰
4.顧客の声の減衰

人は、自分のキャリアゴールを目指しながら、成功し、失敗し、承認され、動機付けられ、さまざまな、客観的なフィードバックを受けながら成長していく。適切で重みのあるフィードバックなしでは人の成長はあり得ない。にもかかわらず、忙しいことを理由に、よく考えもせず評価を決めてしまうマネジャーの姿勢・考え方にこそ、問題があるのだ。

◆フィードバックループを回すためのポイント
1.適切な目標、活動計画を設定し、マネジャー、メンバーの双方が納得して開始すること
2.必ず途中でダイアログ(対話)を持ち、進捗状況やまわりの環境変化を共有すること
3.最後は、結果はどうであったかを双方で確認する

◆「顧客の声の減衰」
1.事業規模が小から大へ:組織全体で起こる減衰
2.組織階層の下から上へ:組織階層で起こる減衰
3.川下から川上へ:ビジネスシステムに沿って起こる減衰

「顧客の声の減衰」を防ぐための簡単で単純な解決方法はない。唯一解決できる可能性があるとすれば、各人(マネジャーやメンバーあるいは社長や役員)が顧客との直接の接点をできるだけ多く持つようにするしかない。

「やり遂げること」と「人を育てること」は、鶏と卵の関係のようなものであり、バランスをとりつつ、そのどちらも追求していかざるを得ないものなのだ。

マネジャーが「人を育てる」うえで最も根本的であり重要なことは、「人に対する興味」すなわち「人の成長をともに喜べるかどうか」ということにある。

人は単なる事実の羅列ではなく、それらが一つの「物語」になった時に感銘を受け、心を動かすものだ。マネジャーがリーダーシップを発揮するためには、常に「物語性」を意識しておくことは非常に有効である。
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最初は、事例の分析が浅く、ちょっと期待はずれの印象があったのですが、読み進めていくうちにぐいぐい引き込まれてしまいました。とくに、「組織力」を高めるためのマネジャーの役割や心構えに関する部分は、目からうろこが落ちました。

というわけで、本日の一冊は、

『組織力を高める』
http://tinyurl.com/5urkp

です。悩めるマネジャーにぜひおすすめしたい一冊です。

■目次■
第1章 「組織力」とは何か
第2章 なぜ「組織力」が発揮できないのか
第3章 完遂する組織・期待を超える組織をつくる「遂行能力」
第4章 組織の戦略能力とマネジャーの「戦略マインド」
第5章 最強の「組織力」をどうつくるのか
第6章 真のリーダーを目指して
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