2005年3月23日

『リーダーシップ・サイクル』

http://tinyurl.com/5uyfk

本日の一冊は、ジャック・ウェルチ時代にGEのリーダシップ育成の方法論を確立した人物で、現在、ミシガン大学ビジネススクール教授を務めるノール・M・ティシーさんによる一冊です。

著者は本書で、勝利する企業に共通する「次世代リーダー育成のしくみ」を明らかにし、「教育する組織」とは何か、そしてそれを築き上げるためにリーダーは何をなすべきか、といった点を詳しく書いています。

GEを中心に、ヤム!ブランズ、ホーム・デポなど、さまざまな企業の実例が紹介されており、経営者が何を改め、どんな取り組みをするべきか、考えさせてくれる一冊となっています。

では、具体的にどんなことが書かれているのか。さっそくチェックしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック
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勝利するリーダーは教師であり、勝利する組織は教育を奨励し、教育した者を評価する。

(SEALのような)規律のしっかりした社会をつくるためには、トレーニングさえすればよいというわけではない。メンバー間に相互信頼と尊敬の念を築き、組織のどのレベルにいようと自分が学んだことを他者に進んで教え、組織全体のIQを高めることも大事

良循環な教育は、リーダーが教育にコミットし、自分自身が学ぶ環境整備を行い、生徒である社員に自信を持って教育に取り組むよう奨励することがなければ誕生しない

◆リーダーが組織の隅々に伝播すべき価値ある知識
1.市場と顧客に関する知識
2.効果と効率に関する知識

成功の鍵は旧体制の指令網をバイパスし、それまで指示下にあった人々の心に直接つながりを持つことにある。そのために政治革命では、銃を持つ人々、プレス、放送タワー、そして教育システムをコントロールしている人々を支配下に置く

教育する組織は全員が学習者であると同時に教育者でもあるという点を非常に重視している

◆チームがエネルギッシュかつ生産的に仕事を行う5つの条件
1.組織全員に非常に明確に理解される危機感
2.人々の心を動かし、達成感のあるミッション
3.人々の心をさらに伸ばすことを目標とする
4.チームワークの精神
5.自信と現実的な期待

人々をワクワクさせるストレッチ・ゴールと人々にやる気をなくさせるゴールとのあいだの境界はどこで決まるかといえば、それはゴールそのものというよりも、ゴールに関して人々がどのように感じているかに依存している

(教育する組織づくりに成功しているリーダーは)命令、強制、罰則、さらには解雇などにあたってパワーの行使をためらわない
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どうしたら「教育する組織」をつくることができるのか、さまざまな企業の事例とともに学ぶことのできる良書です。

というわけで、本日の一冊は、

『リーダーシップ・サイクル』
http://tinyurl.com/5uyfk

です。約500ページにわたる厚い本ですが、読み応えのある刺激的な本です。経営者として、また一ついい勉強になりました。

■目次■
第1章 勝利の新DNA
第2章 勝利への二つの道
第3章 教育する組織をつくる
第4章 教育的見地からスタートする
第5章 教育的見地のつくり方
第6章 パワーのパラドックス
第7章 リーダー兼教師のパイプラインづくり
第8章 教育する組織のスケールアップ
第9章 良循環な教育をつくる
第10章 トリロジー大学
第11章 教育する組織のデジタル化
第12章 グローバル・シチズンシップ
結論 良循環な教育のチャレンジ
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