本日の一冊は、ハイテク業界のジャーナリストとして活躍し、その後イギリスに社会人留学した著者が、そこで出会ったワーキングクラスの「逆成功」哲学を紹介した一冊です。
ここで言う「逆成功」とは、金銭的な利益や、肩書きを追うよりも、人生の充実を優先させる。そして、「歩むべき道を探し、ふさわしい仕事をし、人生を大いに楽しみながら、『かえって成功してしまう』」状態になることです。
著者によると、これは「アメリカ発の成功の法則のように、弱った心臓をカンフル剤のように強い刺激で動かすような方法ではない。根拠のない自信を持ったり、一種の洗脳状態になったり、揺り戻しで落ち込むこともない」方法のようで、上昇志向の人でなくても応用できそうな、そんな考え方です。
では、具体的にどんな考え方が示されているのか、さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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清く正しく。日本人がそうやって生きるのはまことに結構なことだ。(中略)善良ぶって、騙されてもいいなんて考える人間は、ただのマヌケだ。決して”いい人”なんかじゃない。
ダメでもともとじゃないか、と考えるようになって変わった。(中略)何も期待しないでとにかく体当たりの数をこなしているうちに、ふと見えてくるんだ。何か大きく光るものが。偶然のようだが、それだけやった人間にだけ見えるものがある
家族や、守るべき大切なものがある人間は、自分を守ることによって周りのものも守れる。身内だから我慢してもらおう、あるいは周りにも一緒に犠牲になってもらおう、という考え方は間違いだ。
幸せはやってこない。あらゆる手段で探しあて、引っ張り出し、大きくする。つまらないように見えることでも、面白がるのは才能、そして努力が必要だ。その努力を惜しまない人間が結局は多くの幸せを見いだし、人生の蜜を堪能する。これが逆成功である。
ワーキングクラスは独自のネットワークを形成している。人間がお互いに信用できない社会で、信頼できる者同士が固まるのは当然(中略)どの部分においてプロであるか、が唯一このネットワークの中で問われる
仕事を楽しくやってこそ、自分の人生が充実する、というんだ。仕事そのものには、人生を自動的に楽しくさせるような機能はない
逆成功する人間は、差し出された皿はとりあえず喜んで受け取り、味見して、平らげる。充分味わったそのあとに、ウマイとかマズイとか言っても遅くない。まずは先入観を捨てて、真っ白であること
言い訳が上手な人間が友達にいたら、思い出してみるといい。そいつは、おそらく、明るく賢い奴だ
本当の受益者は誰か? を考えろ。
■頑張らないで生きる10のルール
1.将来のために準備ばかりするより、今を存分に生きろ
2.競争するな。自分と戦え
3.過去の自分はどこにもいない。だから縛られるな
4.笑え。それは武器になる
5.1秒で不幸を吹き飛ばす(意味をあれこれ考えるな)
6.陽に当たれ。太陽とともに仕事をしろ。たらふく肉を食ってビールも飲め。満腹になったらとっとと寝ろ。
7.ユルく自由に生きる(自分に甘く、人にも甘く)
8.言葉で思考回路は変わる
9.脱エリートは勇気の証明
10.弱さの特権も使いよう
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このほかにも、「最悪の時期を乗りきる8つのルール」や「お金なしで幸せになる8つのルール」などが続きます。イギリスだからできる、という部分もありますが、肩の力を抜いた生き方の姿勢には共感できます。
というわけで、本日の一冊は、
『英国ワーキングクラス直伝「逆成功」のルール』
http://tinyurl.com/7y73f
です。ポジティブシンキングに疲れた方にはおすすめの一冊です。
■目次■
はじめに
第1章 シャ場を生き抜く逆成功13のルール
第2章 頑張らないで生きる10のルール
第3章 最悪の時期を乗りきる8つのルール
第4章 お金なしで幸せになる8つのルール
第5章 具体的に何から始めるか
おわりに
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